こどもの異物飲み込みに注意してください
2019/06/13
ボタン電池の飲み込みの恐ろしさについて改めてネットで話題になっています。(電池の誤飲については、過去記事を参照ください)
こどもは成長に応じて色々なものに興味を持ち、触って、舐めて、口や鼻の中に入れてしまったりします。それが運悪く気道に入ってしまう事故が起きる訳ですが、なぜ口や鼻に入れたものが気道にまで入ってしまうのでしょうか。飲み込めば、食堂を通って胃に入り、やがてはうんちと一緒に出てくるはずです。(大き過ぎなければですが)
咽頭の神経が未発達で、異物を感じることができません
大人は物を飲み込んで、いわゆる「違うとこ」に入ると激しく咳き込んでゲーゲーします。これは反射運動と言って、危険を察知した脳が反射的に行わせる行動です。その元になるのが、咽頭の神経終末(神経の末端)です。
大人には当たり前のように咽頭部分での異物の察知が、6歳未満のこどもにはできません。この咽頭部分の神経終末の発達は6歳頃から急速に進みますが、6歳まではかなり未発達な状態です。それが異物を気管に入れてしまう原因になります。
大きな異物が入って、気管が一部閉じたり、完全に閉じたりすれば、窒息を起こし、周囲が気付くことができるのですが、小さな異物が入った場合は、本人も周囲も気付けないため、異物の種類によっては時間の経過と共に問題を引き起こす場合もあります。
飲み込みに注意した方がよいもの
飲み込みに注意した方がよい異物しては、以下のようなものがあります。大きなものは窒息の恐れがあります。小さなものは窒息を起こす恐れがありませんが、気管内に留まり、炎症を引き起こす恐れがありますので、同じように注意が必要です。
ことばが分かるようになっては、これらのものを鼻や口に入れないように教えることができますが、乳幼児にはそれができませんので、手の届かないような場所に保管する予防策が重要で有効です。
- BB弾などの球状のプラスチック製玩具
- 紙くず
- ビーズ
- ボタン
- ボタン型電池
- コイン
- 針類
- 鉛筆
- ペンのキャップ
- ビニール
上はいわゆる「異物」ですが、注記すべきはいわゆる「異物」だけではありません。未発達の咽頭の神経は、つるっとした食べ物や細長い食べ物を誤って気管に送ってしまいます。
- ナッツ・豆類
- ポップコーン
- 飴
- ガム
- こんにゃくゼリー、カップゼリー
- ぶどう
- プチトマト
- たくわん
- 練り物(ちくわ、はんぺんなど)
- 白玉
- 餅
食べ物の中でも、ピーナッツはアレルギーの原因になるだけではなく、気道の奥に入ってから水分を吸って膨らんで気道を閉塞させてしまったり、ピーナッツオイルが分解されてできる遊離脂肪酸が血管内皮細胞を傷害して化学性肺炎を引き起こす恐れもありますので、特に注意をしましょう。
食べ方にも注意してあげてください
異物が気管に入ってしまうのは、口の中に異物が入っている時に、泣く、笑う、驚く、走る、立つなどの急な動作をすることがきっかけになることが多いと言われています。
異物だけではなく、食事中に泣く、笑う、驚く、走る、立つなどの急な動作をすることで気管に食べ物を詰まらせる恐れがあります。
食べるという行為は当たり前のものではなく、少しずつ習得していくものです。ですから、幼児の場合は集中していないと失敗して、食べ物を気管に送って、詰まらせてしまいます。食事中はこどもに注意して、何かをしながら食べることは止めさせて、食べることだけに集中させてあげてください。
■電池の誤飲に関する過去記事■
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