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水の事故 福井県で息子を助けようとした母が溺死

      2019/06/13

8月19日午前9時35分頃、福井県高浜町の海水浴場の沖合50メートルほどで女性が溺れ、病院に搬送されましたが死亡が確認されました。

女性は17歳の息子と一緒にシュノーケリングをしていましたが、溺れかけた息子を助けようとして自分が溺れたようです。助かった男性によりますと「自分が溺れかけ、お母さんが助けに来てくれた」そうです。

溺れたかけたひとを助けるのは難しい

死亡した女性は看護師でしたので、溺れかけたひとの救命が難しいことは知っていたかも知れません。ですが、一緒にいたこどもが溺れかけたら、親は自分の命と引き換えにでも助けると思います。

ひとの比重は約1.1で、筋肉質の高校生だったりすると比重はもっと大きくなりますから、海とは言え沈み易くなります。肺いっぱいに空気を溜めれば浮力は増しますが、溺れかけたひとは呼吸が乱れるので沈み易くなります。

しかも、溺れかけて無我夢中になると助けに来た人にしがみついてしまい、立ち泳ぎで浮くことを邪魔します。

その結果、助けに行った人諸共溺れ死ぬことになり易いです。

隣で泳いでいるひとが溺れた場合の対処法

ライフセーバーと小学生位の体格差・体力差があれな助けられるかも知れませんが、それ以外は助けることはできないと考えた方がいいです。

もし隣を泳いでいる人が溺れてしまったら、岸に戻って救命用具(浮輪など)やペットボトルなどの代用品を投げるなどして救助に努めましょう。

もし救命胴衣があれば、溺れているひとが

  • つかまれる状態なら投げる
  • つかまることができない状態なら救助者が着て助けに行く

など状況に応じて判断しなければなりません。ただ、救助者が巻き込まれる恐れがある場合はその方法は避けなければなりません。それは自分の命が惜しいからという利己的な理由ではなく、救急車を呼んだり、要救助者が岸に引き上げた後に蘇生術を施す必要があるからです。

最悪の結果を免れるためのゲーム理論

ゲーム理論でよく例に使われる「インディ・ジョーンズ 最後の聖戦」のあるシーンと似ています。インディ・ジョーンズは父親を助けるために自分が杯の水を飲んでみて聖杯かどうかを確かめましたが、もし失敗すれば自分も死んで、父親もまた死んでしまっていました。自分で確かめずに、父親で試せば、失敗しても自分だけは助かるので最悪の事態は免れます。ゲーム理論ではそうなんですが、実際には心情的にインディと同じことをしてしまうかも知れません。

緊急事態にこれができるかどうかで結果が大きく違ってきます。一瞬のうちにこれを判断するのは殆ど不可能なので、機会がある時に

  • どうするべきだったのか
  • 自分だったらどうするか

と考えておくのは役に立つと思います。

救命法を極めるよりは溺れない工夫をしませんか

救命法を勉強しても実際にできる訳ではありません。また自分が勉強しても自分が溺れてしまったら使えません。(当たり前ですね)

蘇生術は知っておく必要はありますが、それ以外は溺れない術を極めるのをお勧めします。

沖縄県宮古島市伊良部島で起きた事故もシュノーケリング中の事故でしたが、シュノーケリングはちょっと注意が必要です。シュノーケルを付けると息継ぎをしなくても水に顔をつけ続けられるので無敵な感じがしますが、危険な点もあります。

  • シュノーケルの上から水が入る
  • 足が攣ればシュノーケルの有無に関わらず溺れる

シュノーケルの正しい使い方(水抜きとか)を知らずにシュノーケリングをしたり、余り品質の良くない粗悪なセットを買って安直に挑戦してみたり、危険なケースを散見します。命に関わるグッズですので、品質の確かなものを購入し、使用方法をしっかりと学んだ上でシュノーケリングを楽しむ必要があります。

また、水中に気を取られている間に流されていたなんてことも良くありますから、万が一に備えて救命胴衣を装着することがお勧めです。素潜りに慣れた人で、ボートの周りでシュノーケリングする場合以外は、救命胴衣をつけて、潜るのは諦めましょう。岸から沖まで泳いで行き、そこで潜水などして、また岸まで戻るのはかなりの体力を使い、リスクも伴います。シュノーケルを付けていても溺れることがあるのを忘れずに、安全装備に抜かりがないようにしましょう。

 - 安全, 屋外, 川と湖, , 生活, 育児

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