Runaway Prius in San Diego サンディエゴの暴走プリウス
2019/06/12
プリウスの暴走事故について調べると、アメリカで「Runaway Prius(暴走プリウス)」について書かれた膨大な記事に出くわします。これはアメリカでTOYOTA車が問題になった頃に起きた「事件」で、一時期「Runaway Prius」という言葉は非常に有名になり、マスコミもこぞって報道を行っていました。
サンディエゴで起きた「Runaway Prius(暴走プリウス)」事件とは、
2010年3月8日13時半頃、James Sikes氏 (61)はLake Jennings Park Rd.からInterstate 8を東に向かって、彼のブルーのPriusを走らせていました。前を走る車を追い抜こうとアクセルを踏み込んだところ、Priusが勝手に加速し続けてしまうことに気付きました。彼は直ぐに車両を減速させる試みをしますが、車両を減速させることは出来ず、車速が90mph(144.841km/h)に達した時、James Sikes氏は911をコールしました。電話を介してCalifornia Highway Patrol(CHP)も数々の試みをしますが、全て失敗に終わり、James Sikes氏のブルーのPriusを停止させるには至りませんでした。CHPは車両の場所を特定し、CHPオフィサーが陰転する車を横に付け、PAシステムを介してアドバイスすることで車速を50mphまで落とすことに成功し、その後はパトロールカーをPriusのフロントに付け、最終的に車両が接触することもなく停止させることに成功しました。暴走は24分間で終結しました。
という出来事を指しています。
発生した(2010年)のが、アメリカでTOYOTA車のリコール問題が発生していた時期と重なったため、この事件はメディアに大きく取上げられ、「Runaway Prius」と呼ばれることになりました。
※“2009–11 Toyota vehicle recalls”とWikipediaでも記事ができています。
Runaway Prius in San Diego サンディエゴの暴走プリウスの原因
この事件の発生後、TOYOTAは直ぐに現地へ技術者を派遣し、調査を開始しました。
TOYOTAとNHTSA(National Highway Traffic Safety Administration:国家道路交通安全局)による調査・検証によって、該当車輌および同じ型のPriusの両方でテストを行っても現象を再現することはできず、また設計上も問題点がないとして、San Diegoで起きた「Runaway Prius」事件は
James Sikes氏 (61)の狂言
であるという結論がくだされました。
しかも、マスコミが彼の身辺を調査したところ、彼は2008年に破産し、現在70万ドル以上の負債を抱えていることが判明してしまい万事休す。
これによって、James Sikes氏 (61)は奇跡の生還者からイカサマ野郎に転落。その後も「Runaway Prius」が真実であることを主張しているようですが、この件は「Hoax(いかさま・でっちあげ)」ということで片付けられてしまっています。
ただ、2006年8月10日にも同じような事件が発生しています。Elizabeth Jamesさんが乗る2005年式のPriusが暴走による事故を起こしました。この事故に対して、
- TOYOTA:事故が発生する前にブレーキは摩耗していた
- NHTSA:事故車両のブレーキの状態は、車両がフルスロットル加速を経験したことを示す証拠である
とされていて、明確な事故原因の特定には至っていません。2010年にサンディエゴで発生した「Runaway Prius」事件が発生した後もTOYOTAもNHTSAも特に動きは無かったそうです。
TOYOTAやNHTSAも解明できないPriusを暴走させる原因が存在するのか、それとも「Hoax(いかさま・でっちあげ)」や整備不良・操作ミスに過ぎないのか。謎は残りますが、Priusの販売台数と発生頻度からすると、設計上・製造上の問題ではないのではないかという印象があります。
アクセルペダルが戻らない時の危機回避方法
アクセルペダルが戻らない原因は幾つかあると思いますが、非常にまれな現象です。しかし、非常にまれな現象ではありますが、万が一発生すると大事故に繋がる恐れがありますので、発生した場合の対処法を知ることは有益です。
1.しっかりブレーキをかけてください
両足を使って、しっかり、そして一定の力でブレーキペダルを踏んでください。
2. N(ニュートラル)にシフトしてください
3. 路肩に寄せてください
4. 安全な場所でエンジンを切ってください(※パワーではありません)
- ボタン式の場合は、最低でも3秒以上ボタンを長押ししてください。(ポチッと押さないでください)
- キー式の場合は、キーを回して「アクセサリー(ACC)」ポジションにしてください。
ハイブリッドシステムの場合、アクセルペダルとブレーキペダルを同時に踏み込むと、車両が停止できるように設定されています。そのため、万が一アクセルペダルが戻らなくなった場合でも、ブレーキペダルを両足でしっかりと一定の力で踏み込むことで車両を停止させることができます。
そのため、ハイブリッド車かどうかに関わらず、上の手順で安全に停止させることが可能です。
これを見ると、福岡市博多区の原三信病院にプリウスタクシーが突入した事件で、なぜ乗務歴35年のベテランドライバーが200mに渡って車両を停止させることができず、最終的に病院へ突っ込むことになってしまったのか、まったく謎です。
全てのPriusユーザー、そしてTOYOTA車ユーザーが安心して車に乗れるように、そしてそれ以外の人が安心してPriusやTOYOTA車を見ることができるようになるために、徹底した原因究明を期待しています。
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