大人気山崎ランチパックにカビが生えない理由は意外なところにありました
2019/06/12
山崎ランチパックにカビが生えない理由は意外
パン屋さんでもスーパーでも、買ったサンドイッチを見ると消費期限はたいていは当日中です。サンドイッチだけだはなく、惣菜パンなんかも「当日中にお召し上がりください」と言われます。
それと比べて、ヤマザキのランチパックの消費期限は2日間。
ジャムやチョコクリームはなんとなく日持ちが良さそうですが、
- たまごサラダ
- ロースハム
- キャベツメンチカツ
なんかが2日間日持ちするのが不思議というか怖い感じさえします。
きっと添加剤をたっぷり使用して日持ちさせているのだろうって思って、実はジャムやチョコクリーム系以外のランチパックは避けて生きてきました。そして、ランチパックを買おうとするこどもにもそう伝えてきました。
でも、ある日「本当に添加物が理由なのだろうか?」と疑問が湧いてきたので、調べてみたら、思ったのと全く違っていました。
ヤマザキのランチパックが2日間も日持ちする理由は、なんと
「清潔だから」
だけでした。
でも、よくよく考えてみたら、
- カビの胞子
- 腐敗細菌
で汚染がされていない食べ物は、乾燥や変質はしても、腐ったり、カビたりすることはありません。
- 缶詰
- 瓶詰
- レトルトパック
がその例です。
ヤマザキのランチパックは見た目こそ普通のパン屋さんやスーパーで売られているサンドイッチと同じですが、中身は缶詰・瓶詰やレトルトパックと同じように徹底的に衛生管理された工場で製造されて、カビの胞子や腐敗細菌が付着することなしに、加工・包装・配送・販売がされるために腐ったり、カビが生えたりしない優れものなんです。
パンとカビの関係はヤマザキ製パンのサイトに詳しく説明が載っています。興味のある方はどうぞ。
パンのカビ発生メカニズムと保存試験の結果について(by ヤマザキ製パン)
ネットや本では臭素酸カリウムを使ったランチパックが毒入りのように言われていますが
ヤマザキのランチパックだけではなく、食パンも、カビない理由は
臭素酸カリウム
という食品添加物を使用しているからだということが、まことしやかに言われています。「ヤマザキ」「ランチパック」と検索すると、「臭素酸カリウム」が出てきてしまうほど、ネット上ではこの物質が話題になっています。
この臭素酸カリウムという物質は国によっては食品への添加が禁止されていて、日本でも使用量は制限されています。ヤマザキは厳格に使用量を制限して、この物質を添加していました。
ヤマザキとしては、国産小麦を使って美味しいパンをつくるために
- 使用量を厳格に守っていた
- パンを焼き上げる過程で臭素酸カリウムは消えてしまう
ことから、問題ないと判断して原料に添加し、そしてパンの包装にも記載をしていました。
しかし、臭素酸カリウムを使用しているからカビが生えない、そんなヤマザキのパンは危ないという誤った内容を本に書いた人が現れ、それに乗っかった人たちがネットでも誤った情報を流し始めたため、
- ヤマザキはパンのカビ防止に臭素酸カリウムを使用している
- だからヤマザキのパンは健康に良くない
という誤った認識がされるようになってしまいました。
本来なら、ヤマザキが反論するか、訴訟を起こせば誤った認識は訂正されるのですが、何もしないために、今でもネット上には
「ヤマザキのパンは臭素酸カリウムを使用しているからカビも生えず、健康にも良くない。」
と書かれた記事が残っています。
ヤマザキがパンに臭素酸カリウムを使用したのは、パン作りに余り向いていない国産小麦を使って美味しいパンを焼くためで、カビを防ぐためではありません。また、その臭素酸カリウムはパンを焼き上げる過程で消失してしまいますが、本やネットで中傷を受けたため、酵素を使って同じ効果を出す方法を開発して、
ヤマザキは2014年2月から臭素酸カリウムを使用していません。
ですから、ヤマザキのパンがカビない理由は臭素酸カリウムとはもともと無関係ですし、現在は事実無根です。
職人集団「ヤマザキ製パン」の企業努力
恐らく職人集団のヤマザキ製パンにしてみれば当たり前のことをしているだけなので、別段アピールする必要もないということなのでしょうけれど、「安心」も食には大切な要素です。これからは少しずつ積極的に情報発信ができるようになって欲しいところです。
焼き上がった後の冷却・包装工程の自動化など徹底した衛生管理
人が手作業で行えば時間がかかるため、衛生管理された工場とは言え、パンがカビの胞子などに触れるリスクが上がります。ヤマザキ製パンでは、徹底した自動化を進めて、ランチパックの場合、食パンをスライスして具材を乗せはさみ、耳を切り落として包装するまでに1分40秒しかかかりません。
家で作ったパンはカビが生えるのに、ヤマザキのパンはカビが生えないのは添加剤のせいだと言う方もいますが、キッチンと製法の衛生レベルの違いです。早くカビるのはそれだけ衛生管理が出来ていないからなので、自慢すべきことではありません。
詳しくはランチパックの特設サイト「ランチパックのヒミツ」へ
製パンにはストレート法ではなく、中種(なかだね)法を採用
手間はかかりますが、ふっくらとおいしく焼き上がりますし、味の劣化も遅いと言われています。また、発酵が十分に進むため、有機酸やアルコールの生成量も多くなり、焼き上がった時点で有機酸やアルコールがわずかに残って、それがカビの発生を抑える効果があります。ただ、効果があるだけで、しっかり防ぐ訳ではありません。
安全なランチパック 消費期限を過ぎても食べられるの?
多くの人が気になるみたいです。せっかく買ってきたランチパック、気がつけば消費期限は昨日まで。食べられるの?それとも、食べられないの?
商品に関するお問い合わせ Q&A(よくあるご質問と答え)に載っています。
「大丈夫ですよ。衛生管理には気をつけていますので、消費期限はあくまでおいしく食べて頂くための目安です。」
なんて答えを期待してしまいますが、ヤマザキ製パンは
「期限が過ぎた商品のお召し上がりはおやめください。」
とバッサリ。
でも、これは仕方ないですね。
ランチパックに限らず、ヤマザキのパンがどれほど衛生管理がしっかりされていたとしても、安全に、安心して、おいしく食べるには、消費期限内に食べてしまわなければなりません。消費期限が2日あるランチパックですが、せっかく買っても忘れてしまわないように、買ったら直ぐに食べてしまうようにしましょう。
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