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クドアが寄生した養殖ヒラメの刺身で食中毒

      2019/06/13

ヒラメやマグロの刺身を食べて、2~3時間後に倦怠感や発熱(37~38℃前後)を感じ、その後嘔吐や下痢を起こす場合は、クドア(粘液胞子虫)という寄生虫に感染していた可能性があります。食後、短時間で症状が出た場合はクドアによる食中毒を疑いましょう。

クドア(粘液胞子虫)はヒラメに多い寄生虫

ヒラメやマグロの寄生虫と紹介されていることが多いのですが、カレイにも見られ、まれにカツオやカジキにも見られます。特に多いとされるヒラメの中でも養殖ヒラメに多いようで、農林水産省がヒラメ養殖業者向けに文書を出している程ですので、養殖ヒラメには注意が必要です。

クドアはゴカイなどと魚との間を行き来する寄生虫ですが、詳しい生態は良く分かっていません。一応、人には感染しないとされています。人がクドアが感染したヒラメの刺身を食べることで食中毒を起こします。

クドアによる食中毒を起こした場合

重症化することは少なく、時間の経過に伴って自然治癒しますが、他の原因による食中毒の可能性もありますので、念のため病院へ行きましょう。普通の下痢と同様に脱水症に注意して、経口補水液などで水分補給を行ってください。

クドアに感染した魚を見分ける方法

クドアは魚の筋肉に寄生をしますが、クドアが寄生した魚の筋肉はゼリーミートと呼ばれる状態になることがあり、腐っていないのに時間の経過と共に柔らかくなり、最終的には液体のようにドロドロになってしまいます。これは筋肉の中に寄生したクドアが自分の周りに無数の胞子をつくり、魚の死後クドアからタンパク質分解酵素が流れ出ることで魚の筋肉を溶かすことによるものです。

魚の外観では分かりませんが、刺身の一部に柔らかい部分があったり、不自然な模様が見られる時には食べずにおいた方が安全です。どの程度感染されていると食中毒を起こすのか、詳しいことは分かっていませんので、全く見た目に異状がなくても食中毒が起こる場合もあると思います。

クドアによる食中毒を防ぐには

生食が多いヒラメですが、冷凍や加熱調理によって病原性を失いますので、調理中に異常に気付いた場合は加熱調理してしまいましょう。

店で出されるものはそういう訳には行きませんので、心配な方は養殖ヒラメの生食を避けた方が安全です。

あとがき

余り恐れる必要がなさそうなクドアですが、生態がよく分かっておらず、またこの先人間への寄生が絶対に起きないとも言えませんので、一応注意した方が良さそうです。養殖ヒラメにクドアによる食中毒が多い理由は、カレイよりも成長がはやいヒラメの養殖が盛んで、また特に刺身が好まれる(カレイは身が小さ過ぎることが多い)ためで、ゴカイなどを餌にする魚には同じようにクドアによる感染の恐れがあります。近海魚の刺身を食べる際には、一応注意をした方が安全です。色や臭いが正常でも、刺身の一部に柔らかい部分があったり、不自然な模様が見られる時には食べずにおいた方が安全です。頭の片隅にでも置いておいてください。

 - 健康, 生活, 食中毒, 食品

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