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ボツリヌス菌の芽胞入りハチミツは煮ても焼いても乳児には与えないで

      2019/06/13

ハチミツは栄養があるので赤ちゃんに与えたいって思うママが多いと思いますが、1歳を過ぎるまでは決して与えてはいけません。

とあるママ支援サイトに

ボツリヌス毒素は80℃30分間(100℃なら数分以上)の加熱で失活するので、食べる直前に十分に加熱すると安心です。初めは、料理やお菓子などの調味料としてはちみつを使用してみてはいかがでしょうか。(産科看護師)

と書かれていました。これは1歳未満の赤ちゃんに食べさせないことを前提とした話なのですが、このような記事がひとり歩きすると非常に危険です。

普通のボツリヌス症は100℃で1~2分の加熱で予防

普通はボツリヌス菌が出す毒素「ボツリヌストキシン(わずか500gで世界の人口の致死量)」を含んだ食品を食べてボツリヌス症になります。ボツリヌス菌を不活化するには100℃で6時間の加熱が必要ですが、菌自体が体内に入っても上部消化管で不活化されるため、問題ありません。食品中で増殖して作られたボツリヌストキシンを、食べる前に加熱することで失活されます。猛毒ボツリヌストキシンと言っても100℃で1~2分の加熱で失活しますので安心してください。

ただし、加熱してから時間を空けると、不活化しなかったボツリヌス菌が再びボツリヌストキシンを出してしまいます。食べる直前に加熱してください。

赤ちゃんのボツリヌス症は特殊です

しかし、赤ちゃんの場合は違います。100℃で1~2分の加熱をしてボツリヌストキシンを失活しても、ボツリヌス菌が残ってしまいます。生き残ったボツリヌス菌は赤ちゃんの短い腸では不活化せずに、腸管で増殖して、乳児ボツリヌス症を起こします。

仮に100℃で6時間加熱することでボツリヌストキシンもボツリヌス菌自体も不活化したとしても、ボツリヌス菌の芽胞(種みたいなもの)はそれを耐えてしまいます。これが赤ちゃんの体内で発芽して、体内でボツリヌストキシンを出すことで乳児ボツリヌス症を起こします。

100℃で6時間の加熱でボツリヌス菌を不活化しても、一般家庭の加熱調理では120℃・4分間の加熱が出来ず、芽胞を不活化することは不可能です。そのため、赤ちゃんにはハチミツを与えてはいけないことになっています。

ハチミツを使った食品にも注意しましょう

ハチミツが入ったお菓子やジュースも1歳未満の乳児には与えてはいけません。疑わしいものは必ず確認をして、確認ができないものは安全のために与えるのを控えましょう。

ハチミツ以外にも以下の食品には注意をしてくださいね。ボツリヌス菌やその芽胞が残っている恐れがあります。

  • 野菜ジュース
  • 野菜スープ
  • コーンシロップ
  • ハチの子

ボツリヌス菌の芽胞は普通煮沸では不活化しないことを絶対に忘れないでくださいね。

 - 健康, 生活, 病原菌, 育児, 食中毒, 食品

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