ヘリウムエンボリズム 12歳アイドルが肺組織破裂
2019/06/13
番組収録中に声が変わるヘリウムガスを吸引した12歳のアイドルが意識を失った事故は、ヘリウムガスを吸い込んで膨らんだ肺へ更にヘリウムガスが吹きこまれてしまったことによる肺組織(肺胞)の破裂が原因であったことがわかりました。
エアエンボリズムと似た原理
ダイバーが最も注意しなければならない事故に、潜水症の一つのエアエンボリズムがあります。
これは水圧がかかった深い水中で吸い込んだエアを吐かずに急浮上をする際に肺または肺の一部が破裂することで発生します。破裂した肺からエアが血管へ入り込み、塞栓を起こすと重篤な症状に陥る場合があります。特に動脈へ入り込んだ場合は、致命的な脳障害を引き起こしたり、呼吸器や心臓にも重い障害を起こす場合があります。
ダイビングのエアエンボリズムは圧縮された空気が浮上した時に膨張することで肺組織を破裂させますが、今回の事故はボンベのヘリウムが一杯まで膨らんだ肺へ更に吹き込んだために破損組織が破裂しました。
安全対策
吸引用のヘリウムガスが今後も存在し続けなければならないかどうかは分かりませんが、もし今後も販売されるとすると、吸い込む時に圧力が掛からないようにする弁を取り付けるか、酸素ボンベのようにカップを口と鼻の周辺に押し当ててヘリウムを吸う形か、一度プラスチックバッグの中にヘリウムガスをためてそれを太いストローで吸うとかになるんでしょうね。でも、そもそもバラエティグッズなので安全対策の結果があんまりシリアスな感じになると買う気も失せてしまうかも知れません。
他にも注意した方がいいこと
毎日の生活には関わりはありませんが、緊急の際に関係することで重要な点があります。
人工呼吸をしている時に、心臓マッサージを行うと肺胞が破裂してしまいます
ひとりで行う場合は、人工呼吸と心臓マッサージを同時にすることが出来ませんが、二人でそれぞれを行う場合は要注意です。必ず声を掛け合って、絶対に人工呼吸と心臓マッサージを同時に行ってはいけません。
肺組織は思っているよりも繊細です
毎日肺を意識せずに呼吸をしていますが、肺の中の肺胞と言う小さい風船のような部分は非常に繊細な組織です。強い圧力が掛かった訳でもない時に破れてしまい、気胸を起こしてしまう事もあります。なんだか息苦しい、息を吸っても吸えてない感じがする時は自然気胸を起こしている可能性がありますので、呼吸器内科を受診してください。
ヘリウムのガスボンベの怖さは今回の件で広く知られることになりましたが、他にも肺胞を破るような遊びがあるかも知れません。凄く厚い風船を膨らまそうとすることも肺胞を破裂させる原因になり得ると思います。肺は大切な気管ですので、くれぐれも無理なことはしないように大切にしてくださいね。
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