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寄生虫のハリガネムシは爪から入るの?

      2019/06/13

寄生虫なのにハリガネムシは人気者

おとなが爪の間から入ると信じている寄生虫はハリガネムシです。 車にひかれたカマキリと一緒にある黒い針金のような物体、あれがハリガネムシです。おとなには気持ち悪い虫でも、こどもは興味を示してしまいます。カマキリのお尻から出てくるハリガネムシ(地方によってはゼンマイ)はキモ面白い的な感じなのか、こども達の間ではカマキリ並みに人気があったりします。

爪から入る?

実は入りません。爪から入るという話はかなり広く知られていますが、全くの間違いです。 こどものころ、カマキリのお尻から出たハリガネムシを持っていたら、おとなから「爪から入るぞ」と注意されました。先日、こどもが学校の理科の先生に「カマキリの卵を触ると幼虫が爪から入るから、カマキリの卵は触らないように」と指導されたそうです。でも、入りませんので安心してください。 カマキリのお尻から出た成虫 ものすごく意外ですが、ハリガネムシは水生生物です。卵から孵化した幼虫が他の水生昆虫に食べられるか、飲み込まれるかして、それをカマキリが食べることで寄生されてしまいます。カマキリを食べる虫がいれば、そちらに移動もします。このように食べられたり、飲み込まれることで寄生をするので、カマキリのお尻から出た成虫が、爪の間から入り込むというグロい現象は起きません。 バッタのお尻から出た成虫 バッタやカマドウマにも寄生が確認されているそうですが、カマキリ同様に、宿主の体を出た成虫が再び他の動物に寄生することはできません。ただ、お尻から出た成虫を食べた場合は、腸内に寄生する恐れがありますので、幼児やペットが口にしないように一応の注意は必要です。 しかし、どうやってバッタやカマドウマに寄生したのか謎も残ります。他の水生生物を経由すると考えられていますが、それ以外のルートがあるのかも知れません。 水生生物に寄生した幼虫と成虫 カワゲラは釣りの餌として触る機会があるかも知れません。また、トンボの幼虫のヤゴを飼育のためにこどもが触るかも知れません。体内に入った幼虫は成虫になるまではその生物の中で過ごすので、出てくるとすれば成虫ですが、これも飲み込まない限りはひとの体内に入る心配はありません。 魚の体内の幼虫と成虫 水生生物を餌とする魚の内臓に寄生しますが、これが一番厄介です。川魚の腸に寄生しているので、それを生で食べる可能性は低いのですが、調理の過程で幼虫が身の部分についてしまう可能性はあります。鯉のあらいやイワナの刺身はおいしいですけど、避けた方がいいと思います。(淡水魚は他にも寄生虫による食中毒が考えられますので、生食は避けましょう。) 実際に人間へ寄生した例があるそうですが、恐らく川魚を経由したか、川や泉の水を飲んだ際に直接体内に入ったのではないかと考えます。

結論

カマキリの成虫や卵を触ってもハリガネムシがひとの体内に入ることはありません。ただ、口を経由して入る可能性がありますので、虫や魚を触った後は手を良く洗いましょう。 川や田んぼなど、淡水で遊ぶ場合は、水を飲むことがないように注意しましょう。遊んだ後はしっかり手洗いを。それと残念ですが、川魚を生で食べるのもやめましょう。

 - 屋外, , 市街地, 野外

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