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池袋 自動車暴走5人死傷事件

      2019/06/13

8月16日夜、JR池袋駅東口で医師が運転する自動車が暴走し、歩行者数名をはねてビルに突っ込みました。この事故で、1名死亡、男女4名が重軽傷を負いました。

繰り返される自動車暴走による事故

速報を見た時、京都府京都市祇園で起きた自動車暴走事故が頭をよぎりました。

医師だと言う男は、ラーメンを食べた後、地下駐車場から出て来て、一時停止をした後、時速60キロほどで暴走、歩道に乗り上げ、そのままブレーキを使うことなく歩行者を跳ね飛ばし、ビルに突っ込んで漸く停止しました。

警察の調べて、男はてんかんの持病があり、その発作を起こしていた可能性があるという報道もあります。祇園の悪夢が再び起きてしまったのでしょうか。

事故直後「何が悪いんだ」と叫ぶ男の姿

男は「車に乗ったところまでは覚えてはいるが、その後、意識がなくなった」と供述していますが、持病は無いとも供述しています。ただ、大学時代にてんかんと診断され、9年前から通院し、薬を飲んでいるとも供述しています。警察は容疑を「危険運転致死傷」に切り替え、事故を起こした際にてんかんの発作で意識を失っていなかったか、慎重に捜査を進めています。

てんかんのある人の運転免許取得には一定の条件が決められています

今回の事故がてんかんの発作による意識障害が原因かどうかは未だ分かっていません。アルコールや薬物が検出されていませんので、可能性は高いとみられていますが、他の理由も考えられますので慎重な捜査が必要です。

公益社団法人 日本てんかん協会によりますと

「改正道交法」ならびに「自動車運転死傷処罰法」によって、新しく変わる点は以下のとおりです。

  • 免許取得や更新時の質問票に虚偽回答をして事故を起こすと罰則が科せらることがあります。
  • 病気の症状等を理由に免許を取り消しになった場合は、取り消しから3年未満に運転適性の状況が回復すれば、試験免除で免許の再取得が可能になりました。
  • 運転をすることができない状態であるのに運転をし続ける人を、医師が公安委員会に届け出ることができます。
  • 運転してはいけない状態であることを承知しながら運転し、死傷事故を起こした場合の刑罰が重くなりました。

男の診断結果や医師としての認識がどうであったかによって大きく変わります。

てんかん患者が悪い訳ではありません

京都府京都市祇園で起きた事件の時、てんかん患者が車を運転すること自体を非難するような風潮がありました。

ですが、きちんと症状を管理している人が自動車に乗ることに問題はありません。

飲酒運転による事故や京都府亀岡市で起きた無免許の無謀運転による事故とは大きく違います。病気で苦しみながら、正しく治療して、自己管理ができた上で自動車に乗っている多くのてんかん患者が非難されるようなことになってはいけません。

今回の男は、

  • 自身が医師である
  • 睡眠不足の中、一日中運転し極度の疲労状態であることを認識していた

ことから、てんかんの発作を誘発しかねない状態であり、自動車の運転を避ける判断を怠ったことは罪が重いのではないでしょうか。

この事故は、男がてんかん患者であったから起きた事故ではなく、正しく自己管理をするのを怠ったことが原因で起きた事故である可能性が濃厚で「危険運転致死傷」に相当します。

もしてんかんを正しく自己管理しなかったことで事故を起こしたとして「危険運転致死傷」に問われるのを避けるために、原因はてんかんではなく居眠りだと主張しているとすれば極めて悪質です。

今後の同様の事故を起こさないために、またてんかんを正しく管理しているひとが不当な差別を受けないためにも、この事件は徹底調査して、解明して欲しいと願っています。

 - 交通安全, 安全運転, 生活, 自動車

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