高畑淳子さんに性癖質問のアナウンサーの二重の間違い
2019/06/12
女優・高畑淳子さんの謝罪会見で、息子の俳優・高畑裕太容疑者の性癖について質問したことでフリーアナウンサーの大村正樹さんが批判されていました。「母親に息子の性癖を聞いてどうするつもり?」と僕も思いましたが、それ以上に気になることがありました。
必ずしも性癖が犯罪に繋がる訳ではありません
息子の「性癖」を母親に、そして生中継もされる謝罪会見の場でしたことが批判されていましたが、高畑裕太容疑者の性癖に問題があり、それが今回の事件の原因・引き金になったというのが大半の見方のようです。
ですが「異常な性癖」は犯罪に繋がる危険な傾向なのでしょうか。
僕は違うと思います。
「性癖」は単に「性癖」であって、犯罪とは関係ないはずです。
「性」に関することは非常にセンシティブで、時や状況に応じて犯罪かどうかが分かれたりもします。
例えば、少し前にやっていた芸人キャノンボール2016の中で、水着女性による騎馬戦企画がありました。その中で、水着の女性に対してロンブーの田村淳さんが女性のパンツを脱がせて水着姿にするというシーンがありましたが、あれも時と場所によっては違法扱いされる可能性もある行為です。(ハチ公前とか)
扱いが非常に難しい「性」に関する問題ですが、どんな「性癖」であったとしても、表に出さなければ犯罪ではありません。自宅・自室などであっても、カーテンやドアを開けたままであれば犯罪扱いされる恐れはあるものの、
- それを不快に思う第三者を巻き込む
- それを不快に思う第三者に知られるところとなる
ことがないように注意をしていれば、どのような「性癖」であっても犯罪にはなりません。
「覗き」という性癖もその性癖自体が犯罪である訳ではありません
問題となる「性癖」として先ず頭に浮かぶのは、覗きや盗撮など、窃視かも知れません。
ですが、それを「性癖」として持っていたとしても、実行に移さなければ問題にはなりません。
ぶっちゃけた話、殆どの男性はこの傾向を持っていると思います。
ですが、それが第三者を不快にするだけではなく、犯罪行為でもあるため、実行に移すことはなく日常生活を送っています。
この点が非常に重要だと思います。
どのような「性癖」を持っているかではなく、それを実行に移さないでいられるか、実行に移してしまうのか、というところに犯罪者となるかどうかがかかっています。
本来、そこには三途の川並みの深い溝があるはずです。
ですが、強いストレスがかかったり、心身のバランスを崩したりした時に、川を渡らないように制御する力が負けてしまい、「向こう側」に渡ってしまいます。今回逮捕された高畑裕太容疑者が
「欲望を抑えられなかった。」
と供述したそうですが、その言葉がこの問題を象徴していると思います。
彼は彼なりに自分の欲求と戦ってきたのだと思います。ですが、ある程度仕事で人気が出て来たことによる傲慢な気持ちと過密スケジュールによる心身へのストレスで、欲求を抑える力が弱まり、犯行に及んでしまった。そういうことだと思います。
問題は「性癖」の種類ではなく、自分を制御する能力のレベルと状態
高畑裕太容疑者がどんな「性癖」の持ち主だったのかには興味もありませんし、それは問題でもありません。
彼の言動を見ていると、自分を制御する力がもともと少し弱かったように感じます。
それはともすると
自由奔放
という魅力であったりもしますが、ストレスがかかり、心身が弱った時などに犯罪行為に及んでしまうリスクも孕む、危険と背中合わせな傾向でもあります。
彼に発達障害があったとか、反社会性パーソナリティ障害があったとかいうコメントもありますが、それについて色々言っても余り意味がありません。犯罪を犯した人を分析した結果、発達障害や反社会性パーソナリティ障害が見つかったというケースもありますが、その逆のケースもあり、発達障害や反社会性パーソナリティ障害が必ず犯罪を引き起こすという訳ではありません。
高畑裕太容疑者が犯罪を犯してしまったのは、彼自身と彼の周囲が、
自分を制御する能力のレベルと状態
を把握していなかったことが原因であり、彼の「性癖」がどんなものであったのかは余り重要ではないはずです。
彼の「性癖」が窃視であったのなら、盗撮や覗きで逮捕されたかも知れませんし、彼に反社会的勢力と繋がりのある知人がいたとしたら今回のような事件ではなく、覚せい剤・麻薬などに手を出してしまっていたかも知れません。
謝罪会見のコメントから、母親の高畑淳子さんが「息子の疲れが限界に達していたかも知れない」ことに気付いていたようですので、事前に何か出来なかったことが惜しまれます。
高畑親子を批判している人も他人事ではありません
「性癖」を切り口にした記事は、人の好奇心をくすぐります。
色々なことが言われていますが、これは決して他人事ではありません。
どんな「性癖」を持っているかは親でさえも分からないものですが、仮に「異常な性癖」(※性癖に正常も異常もないと個人的には思っています)を持っていないとしても、安心はできません。
性に関することは非常にセンシティブです。勉強や仕事上のストレスに押しつぶされ、「やってはいけない」という自制心が弱ってしまうと、思わぬ行動に出てしまい、それが「性」に関する行為であった場合はなおさら、即逮捕されてしまう恐れがあります。
思い出してください。2009年4月23日の深夜3時、公園内の夜間立ち入り禁止区域において全裸で「バカヤロー」などと意味不明の叫び声を上げていた男性が、通報で駆けつけた警察官に公然わいせつの容疑で現行犯逮捕された事件を。その時に逮捕されたのは、他でもないスマップの草彅剛さん(当時34歳)です。誰かを傷つけた訳ではありませんが、普段はどれほど真面目であったとしても、酔って公園で裸になってしまっただけでも逮捕される可能性があることは注意が必要です。
かなりの自制心があっても泥酔状態になるとシラフでは絶対にしないようなことをしてしまう恐れがあります。
仮に泥酔状態でなくても、ストレスで自制心が弱っている時には、少しのアルコールでも「自制心のロック解除」がされてしまう恐れがあります。
これは誰にでも起きうることです。
高畑裕太容疑者の「性癖」を揶揄したり、高畑淳子さんの育児を批判したりするよりも、自身や自分の身内の「自分を制御する能力のレベルと状態」を見直した方がいいのではないかと思います。
僕もこの機会に改めて自分自身のことを見直しておこうと思っています。
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