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上海ガニからダイオキシンが検出

      2019/06/12

輸入上海ガニから発がん性物質のダイオキシンを検出。ただ、これは香港での話。今のところ、日本に輸出はされていないようですが、注意は必要です。

事件の概要はこんな感じ。

  • 香港市場に出回る上海ガニの7~8割を輸出する江蘇省の2つの水産会社が養殖した上海ガニからダイオキシンを検出(ダイオキシン以外にも、ダイオキシンに構造が似たポリ塩化ビフェニルも検出されました)
  • 香港当局「the Centre for Food Safety」が9月末に実施されたサンプル検査で発覚
  • 香港への輸入と販売が既に一部停止されている
  • 香港当局「the Centre for Food Safety」が11月2日に会見して明らかになった

パッと聞いただけで、ヤバい感じがします。

検査が9月末で、会見が11月2日で、どんだけ時間かかんねん、と。

香港の有力紙「South China Morning Post」も、ウェブサイト上で

“Hong Kong government slammed for taking too long to test hairy crab samples for dioxins”

「香港政府は、上海ガニ(毛ガニ)のサンプルのダイオキシン含有検査に時間を掛けすぎて非難される」

出典:South China Morning Post  News›Hong Kong›Health & Environment

とあります。

この季節、上海ガニは香港に無くてはならないアイテム。

それが発がん性物質のダイオキシンで汚染されていたこともショッキングですが、香港政府が9月末に検査をしながら、11月2日の会見。これでは業者も消費者も納得できません。

事の重大さから、香港当局「the Centre for Food Safety」はダイオキシン検査をステップアップするとして、

更に6匹のサンプルを政府のラボに送って検査を行う予定

と公表しました。

6匹という数が妥当かどうかも気になりますが、そんなことが吹っ飛ぶような言葉が飛び出しました。

検査にはなんと

2週間!

かかるんだそうです。

2週間もかかったら、サンプルをとった母体は、

  • 全て死ぬ
  • 全て消費される

のいずれかで、検査の意味がありません。しかも、旬は11月で終わります。

当然そこは突っ込まれる訳で、それに対して保健大臣Dr. Ko Wing-manさんは、

“Testing for dioxins is rather complicated, therefore it will take some time.”

「ダイオキシンの検査は結構難しいんです。だから、それなりに時間がかかってしまいます。」

もうダメダメです。

これに業を煮やした輸入業者の中には、政府公認のラボに委託して自分たちの上海ガニの安全性を証明しようとする動きも出ていて、香港では思った以上の騒動になっているようです。

この問題には、中国政府(今は香港も中国ではありますが)とのやり取りなど、ややこしい問題が絡んでいるようで、即座にすっきり片付きそうにはありません。

上海ガニの旬は10月(メス)・11月(オス)と長くはありませんので、業者の苛立ちも理解できます。

健康被害がないのは勿論ですが、業者の経済的損失も少なくなるような方向に進むことを祈っています。

ダイオキシンが検出された養殖業者は日本へは輸出していないそうです

とは言え、中国では色々なことが可能になってしまいますので、別の業者の名前を使って日本国内に入ってしまっている可能性もゼロではありません。

ですが、現時点での報道の感じですと、割合や汚染度合いはそれほど深刻な訳ではなさそうですので、日本に入っている上海ガニはきっと安全なのだろうと思います。

とは言え、妊娠中の方や健康に不安がある方などは、敢えて上海ガニを選んで食べることは避けた方が安心かも知れません。香港、中国、または日本の信頼のおける機関から安全宣言を出して欲しいものです。

中国当局が動いているようですので、香港の「the Centre for Food Safety」よりは期待して、検査結果を待ちたいと思います。

ところで上海ガニってどんなカニ?

上海ガニとは、正式名称

チュウゴクモクズガニ(Chinese mitten crab)

という中国および朝鮮半島東岸部原産のイワガニ科のカニの一種です。香港での英語表記は”hairy crab”となっていますし、モズクガニという名前でもあるので、毛むくじゃらな姿を想像しますが、毛が生えるのはツメの部分だけ。それが手袋(ミトン)をはめたように見えるため、英語名はチャイニーズ・ミトン・クラブなんですね。

香港では今の季節、多くの店先に生きたまま置かれ、まさに旬の食材になります。脚をぐるぐるに縛られた上に、積み上げられたりして、ちょっとかわいそうに感じることも。

僕はカニがダメなので味は分かりませんが、中国人の友人は皆好きです。

外来種としての上海ガニ(チュウゴクモクズガニ)

北米やヨーロッパで外来種として問題になっているとは聞いていましたが、これほどの状態とは思いませんでした。

縛り方

食べ方

 - 健康, 動物, 化学物質, 安全, 旅行, 海外, 生活, 食中毒, 食品

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