93歳がひき逃げ 超高齢化社会の闇
2019/06/13
福岡で93歳がひき逃げで逮捕
11月3日、福岡県警柳川署は、
- 道交法違反(ひき逃げ)
- 自動車運転処罰法違反(過失傷害)
の疑いで、自動車を運転していた93歳を逮捕。被害者の高校2年の男子生徒は、頭を強く打ち、意識不明の重体です。
容疑者は「ガードレールには当たったが、バイクに当たったかはよく分からない」と供述。認知症の症状は確認されておらず、直後に事故を起こした軽自動車を修理に出していることから証拠隠滅をはかった可能性もあり、警察が捜査を進めています。
地元では、「レーサー」や「飛ばし屋」とも呼ばれる暴走高齢者だったそうです。また、「頭は良いし記憶力はある」とも言われていたと言いますが、事故後の救護義務・危険防止措置義務を果たさず、現場から逃げて、証拠隠滅を図ることに頭を使っていては健康で長生きの意味がありません。
高齢者による犯罪・事故が増えています
長生きできるようになるのはいいことですが、その分高齢者の犯罪も増えていきます。警察政策研究センター所長佐々木氏による「高齢者犯罪の実態」を見ると、明らかに高齢者の犯罪は増加しています。人数が増えれば、実数も率も増えるのは仕方がないのかも知れません。
今後は今回のひき逃げ事故のような事件が更に増えるはずです。既に登下校のこどもの列に操作不能になって突っ込むという事故も起きていますし、10月28日にも宮崎県で軽自動車を運転していた73歳が車道を間違えて歩道に進入し、歩行者を次々に跳ね飛ばし、女性2人が死亡し、4人が重軽傷を負う重大事故を起こしています。
高齢者になればなるほど自動車が手放せない現実
歳を重ねれば判断力も反射速度も落ちて、自動車の運転のリスクは高まります。(僕は高齢者ではありませんが、それでも最近助手席に座ったが妻や子供と話しながら運転していると判断が一瞬遅れてしまうことを感じて、出来る限り話をしないように気を付けています。)
自分で危ないと感じたら免許証を返納するように勧めたところで、採算に合わないバス路線が次々に廃止されている中、高齢者は自動車無しに暮らしていくことは困難です。
若い頃は徒歩や自転車という選択肢があっても、ある年齢になると徒歩や自転車という選択肢は消え、どこに行くのでも自動車に頼ることになります。病院、スーパー、郵便局、銀行、役所。近所へゴミ捨てに行くためだけに自動車を使う高齢者も少なくないはずです。
今僕が住んでいる街でも、昼間に道路を走っている車は殆ど高齢者が運転しています。中には80歳を超えていると思われるご高齢の方もいますし、ミラーを折りたたんだまま、前しか見ないで運転している人も見かけます。いつ事故を起こしてもおかしくありません。
衝突防止機能や自動運転機能の普及に期待するしかありません
最近の自動車には衝突防止機能などの安全に関する機能が付いたものが増えてきました。そして、自動運転装置の実現もそろそろ見えてきました。近い将来には、高齢者の判断力や反射速度の低下を補う機能によって高齢者も安全に自動車運転ができるようになると思います。
しかし、現在既に高齢になっている人が、これから衝突防止や自動運転機能の付いた自動車に買い替えることは期待できません。当面はリスクを抱えた運転者がいることを歩行者の側が認識して、危険を感じたら逃げるようにするしかありません。
小学生は、歩道を歩けば安全とか、信号を守れば安全だと教えられていますが、これからは歩道も横断歩道も絶対に安全と言える場所ではないと教えておく必要があります。道路を歩く時には、常に自分の身を守るために周囲に注意を払うようにさせるべきです。こどもには酷かも知れませんが、それが現実ですので、ここ暫く(10~15年位?)は割り切って、歩行者側が防衛するようにしましょう。
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