ボールプールはノロウイルスなどの感染症に気をつけてください
2019/06/12
ボールプールでノロウイルスに感染する可能性
年末年始、バーゲンも多いし、今年は福袋を年内から販売を始めたりして、買い物天国ですよね。大人が戦っている間、子どもたちはプレイルームなどで遊んでいてもらえると助かるんですが、そのプレイルームでちょっと注意しなければならない点があるんです。
それは、ボールプールでの病気の感染です。ボールプールは、プールと言っても水は使っていないですし、転んでも怪我をする心配もなく、凄く安全なイメージがありますが、思わぬ盲点がありました。
先ずは密室に大勢のこどもがひしめき合っているので、咳やくしゃみをした時の飛沫を直接吸い込んでしまい、
飛沫感染
を起こす可能性があります。
また、
- 感染者の咳やくしゃみで飛沫が付着
- ノロウイルスに感染したこどもの吐瀉物が付着
- 感染中のこどもがボールを舐めたことで付着
- トイレで手をしっかり洗わなかったこどもの手に残った菌やウイルスが付着
などによって、ボールプールのボールを介して菌やウイルスに感染する恐れがあります。
接触感染
です。
特にボールを介した接触感染は長い期間に渡って、大勢のこどもに菌やウイルスを感染させる可能性があり、注意が必要です。
中でもノロウイルスの感染には注意が必要です。
インフルエンザウイルスよりも遥かに強いノロウイルス
冬なのでインフルエンザウイルスの感染が気になりますが、インフルエンザウイルスは何も付着していない無機物の上で1~2日間生存できるのがせいぜいで、こどもがベタベタ触ったボールには人間の皮膚から付着したリボヌクレアーゼ(RNase)というリボ核酸を分解する反応を触媒する酵素によって直ぐに分解されて、活性を失います。人の皮膚の上でインフルエンザウイルスは5分ほどしか生存できないと言われていますので、ボールプールのボールについたインフルエンザウイルスも同程度の時間しか生存できないものと考えられます。
一方ノロウイルスは非常に強く、ウイルスには過酷な乾燥した状態であっても、
- 8℃:約8週間
- 20℃:約3~4週間
生存できると考えられています。ノロウイルスを排菌しているこどもがボールプールにノロウイルスを一度持ち込んでしまうと、その後3~4週間ノロウイルスはその場で生存して、感染する機会を伺っています。
既に多くのこどもがボールプールでノロウイルスに感染しているかも知れません
ノロウイルスというと、食べ物や幼稚園・保育園などでトイレや手指を介して感染したと思われていますが、そのうちのある割合はプレイルームのボールプールで感染している可能性があります。
床や什器などは次亜塩素酸ナトリウムなどを使って消毒することが可能ですが、ボールプールはその数ゆえに消毒ができません。そこが盲点です。
大きなボールや遊具は定期的な消毒が可能でも、ボールプールは消毒が難しいため、感染源となる可能性が高いと言えます。
ただ、ノロウイルスは永遠に生きることはできず、乾燥した場所では
- 8℃:約8週間
- 20℃:約3~4週間
湿度が高い場所ではもう少し長く生きることが可能ですが、それでも1~2ヶ月経てば死滅するはずです。
ノロウイルスの流行期はボールプールのボールがノロウイルスで汚染されている恐れがありますので、プレイルームを使用される場合でもボールプールを避けた方が安全です。流行期が終わってから、2ヶ月が経過すれば、概ね「安全宣言」を出してもいいと思います。
ノロウイルスの感染状況に関しては国立感染症研究所のサイトを参照ください。
ノロウイルス等検出状況 2015/16& 2014/15シーズン(2015年12月23日現在報告数)
感染には地域性もありますので、各地域のノロウイルスの流行状況を確認するとより安心です。
(例)東京都感染症情報センター 感染性胃腸炎の流行状況(東京都 2015-2016年シーズン)
プレイルームで遊んだ後は念入りに手を洗いましょう
プレイルームで遊んでいる時は、
- 口や鼻を触らない
- 目をこすらない
ようにこどもに伝えておきましょう。(喘息など、気管支に病気がある場合は、マスクを付けた方がいいでしょう。)
また、プレイルームで遊び終わったら、正しく手洗いを実施しましょう。
そして、念のためうがいもしておくと更に安心です。
楽しいはずのボールプールでノロウイルスなどの感染症をもらわないように、大人が注意してあげましょう。
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