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小5がフランクフルトで窒息死 四国中央市立新宮少年自然の家

      2019/06/12

2015年9月11日、大阪市立の小学校で小学1年生の女の子が給食のおかずに出た「鶏肉と野菜のうま煮」を食べ、入っていたうずらの卵がのどに詰まったことによる窒息で意識不明の重体になる事故が起きました。1年経たずして、再び食べ物が原因となる痛ましい事故が起きてしまいました。

野外学習でフランクフルトが喉に詰まって窒息死する事故

愛媛県四国中央市教育委員会は、8月18日に市立小学校5年の女子児童(10歳)が学校の野外活動で食べた昼食のフランクフルトを喉に詰まらせて死亡したと発表しました。死因は、誤嚥による急性肺障害、つまり食べ物を喉に詰まらせたことによる窒息死です。

女子児童は、8月18日の正午頃、学校の野外活動で訪れていた四国中央市立新宮少年自然の家で食べた

フランクフルト(直径約2・5センチ、長さ約9センチ)を半分に切ったもの

を食べる際に喉に詰まらせてしまいました。

隣にいた担任教師が、背中を叩くなどの処置を行いましたが、窒息状態は改善されず、約10分後に到着した救急隊員が器具を使ってフランクフルトを取り除き、病院へ搬送しましたが、約7時間後に死亡が確認されました。

野外活動は17日から二泊三日の日程で、5年生の児童86名に対して教師11名が引率として参加していました。教育委員会は、

「食事の提供方法や救急対応について検証したい。」

「学校側の過失について、今後検証していきたい。」

とコメントしています。

喉に食べ物を詰まらせる事故は対処が簡単ではありません

今回は児童86名に対して教師11名が引率という比較的恵まれた状態でしたが、かりに更に多くの教師が引率していたとしても、この事故を防ぐことは難しかったかも知れません。

フランクフルト(直径約2・5センチ、長さ約9センチ)を半分に切ったもの

が、縦切りなのか、横切りなのかによって若干リスクに違いが出るかも知れませんが、それでも事故を防ぐ方法として有効なほどの違いは出ません。

細かく噛まずに、大きな断片を飲み込む際に、友だちと話しながら食べることで誤嚥して、気管に詰まってしまったような場合、特に資格や器具がない私たちは、

  • 背部叩打法(はいぶこうだほう)
  • ハイムリック法(腹部突き上げ法)※内臓破裂の恐れがあるため、乳児には使用してはいけません

を用いて、応急処置をすることになります。

今回の事故では隣にいた担任教師が背中を叩くなどしたと報じられていますので、ハイムリック法は選択せずに、背部叩打法(はいぶこうだほう)を選ばれたのだと思います。

ただ、救急車が来るまでの10分間、心拍が停止してから

心臓マッサージ

を行っていたかどうかが気になります。背中を叩き続け、喉に詰まったの異物を取る努力をすることも重要ですが、心拍が停止した時点でそれを諦めて、心臓マッサージに移行する方が救命の可能性は間違いなく上がります。逆を言えば、それをしなければ死亡するリスクが大きく上昇値ます。119通報した時に指示があるとは思いますが、指示がないとしても、教師や保育士などは実施できるようにならなければなりません。※心臓マッサージの過程で異物が気管から外れることもあり、非常に重要な処置です。

事故が起きてから約10分で救急車が到着していますので、通報の遅れはなさそうです。(2015年9月11日、大阪市立の小学校で小学1年生の女の子が給食に入っていたうずらの卵を詰まらせた事故では、救急車を呼ぶまでに5分間空けてしまったことが事態を悪化させました。)

事実の隠蔽がないとすれば、今回の教師の対応について特に問題はないかも知れませんが、対応に問題がないとしても、喉に食べ物が詰まった場合、器具なしにそれを取り除くことは非常に難しく、取り除くことができない場合も少なくありません。

応急処置を学ぶことは重要ですが、応急処置を使わずに済むように、こどもが食べ物を喉に詰まらせることを予防する指導が重要だと思います。

食べ物の誤嚥を防ぐためにできること

食べ物の誤嚥を防ぐために出来ることは2つ。

  • 喉に詰まらせるような行動を止めさせる
  • 喉に詰まらせやすい食べ物に注意する

本来は各家庭ですべき教育ですが、核家庭化が進み、食べ方を注意してくれる祖父母の存在がなくなっただけではなく、今は家族揃って食事をすることがままならない家庭も少なくありません。

勿論、今後も家庭で努力をするべきですが、学校でも指導・注意をしていく必要があります。

のどに詰まらせるような行動を止めさせる

食べ物を喉に詰まらせる恐れがある行動を止めさせるには、

  • 余り噛まずに、大きな状態で丸のみする癖は止めさせる
  • 「ながら食べ(テレビを見ながら・歩きながら・喋りながら・遊びながら・寝ながら)」を止めさせる
  • 食事中に笑わせたり、驚かせたりすることがないように注意する

などがあります。野外学習などでは気持ちも緩みがちですが、教室で給食を食べる時と同様の注意が必要です。

喉に詰まらせやすい食べ物に注意する

のどに詰まらせやすい食べ物ランキングは、

  1. パン
  2. ごはん
  3. 果物
  4. 寿司
  5. お菓子
  6. アメ
  7. 団子
  8. おかゆ
  9. 流動食
  10. こんにゃく・しらたき
  11. カップ入りゼリー
  12. ゼリー

となっていますが、食べ物をのどに詰まらせて亡くなる人の大多数が高齢者であるため、高齢者が食べるものが多くなっています。なので、今回事故を起こしたフランクフルトはランキングに入っていませんが、リスクはかなり高い部類に入るはずです。フランクフルトなど、比較的大きく、そして弾力がある食べ物は、細かく噛み切って食べる必要があります。

今回事故が起きた学校を管轄する教育委員会は、

  • 「食事の提供方法や救急対応について検証したい。」
  • 「学校側の過失について、今後検証していきたい。」

とコメントされています。勿論、それらも重要で、省くことはできませんが、最も重要なことは、

こども達自身が食べ物による事故の恐ろしさを知り、自分達で注意すること

だと思います。

過去の事故を参考にして、是非こども達に教えてあげて欲しいと思います。

これ以上、こどもが誤嚥で命を落とす痛ましい事故が起きませんように。

 - 健康, 学校等, 安全, 小中高, 生活, 育児

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