ガスパン遊びは超危険 一呼吸で命を落とす危険性があります
2019/06/13
ガスパン遊びは単なる酸素欠乏状態です
アンパン(シンナー)遊びについては余り言われなくなりましたが、最近ではより手頃なガスパン遊びが問題化しています。
11月7日、栃木県足利市でガスライター用のガスボンベを吸引していた男子高校生(16歳)が意識を失って倒れ、搬送先の病院で約6時間後に死亡が確認されました。一緒に吸引をしていた少年によれば、死亡した男子高校生は日常的にガスパン遊びを行っていたそうです。
少年少女達はガスを吸引した時の酔ったような浮遊感を求めていますが、その浮遊感は酸素が欠乏したことによって脳が正常に機能しなくなることによって生じます。覚せい剤、危険ドラッグ、シンナーのように習慣性はないと言われていますが、酸素欠乏状態を繰り返すことで脳や体が損傷を受け、元に戻らない障害を負う恐れがあります。
手軽に手に入りますが、危険性は低くありません
習慣性が低いことに加え、他の目的で使用するためのガスなので、取り扱いには規制はなく、ガスの吸引も麻薬及び向精神薬取締法・覚せい剤取締法などの法律で規制されていません。未成年者は覚せい剤や危険ドラッグが入手し難いため、かつてはシンナーによるアンパン遊びが主流でしたが、シンナーの取り締まりが厳しくなるにつれ、より簡単に入手ができるガスパン遊びに移行してきています。
ガス自体はシンナーのような有毒性や習慣性はありませんが、ガスを吸引することで、脳や体に必要な酸素を取り込むことがでなくなります。水で溺れた場合、肺や血管内に残った酸素を暫く使って声明を異常性することができますが、ガスパン遊びをしているうちに肺や血管内の酸素がガスによって追い出されて、極度の酸素欠乏を引き起こす可能性があります。
今回も高濃度のガスを吸引し続けたことで、水で溺れた以上の酸素欠乏状態を継続させてしまい、死亡に繋がってしまったものと考えられます。
ガスパン遊びの怖さ 一呼吸で死亡する場合も
ガスパン遊びをしていても、酸欠になれば息苦しくなって命の危険が迫る前に気付けるのでは?と思ってしまうかも知れません。
実は、人間が酸欠による息苦しさを感じるには、血液中の二酸化炭素濃度が低いか高いかのどちらかです。酸素が欠乏しても、息苦しさを感じることはありません。
- 空気中の酸素濃度は21%
- 肺から出す呼気の酸素濃度は16%
吸い込んだ空気が21%なので、その高低差を利用して、酸素が肺で血中に取り込まれる仕組みになっています。
もし、吸い込んだ気体の酸素濃度が16%の場合は、酸素の交換を行うことができず、血液中の二酸化炭素濃度が上がるために息苦しさを感じます。息を付けている時に苦しくなる感じは、このように血液中の二酸化炭素濃度が上がっていくために起きます。
しかし、ガスパン遊びでは、ビニール袋に入ったガスと空気の混合気体中の酸素濃度が下がっているので、吸い込んだ際に肺でのガス交換では、血液中の酸素がより濃度の低いビニール袋の中のガスに流れ出てしまう可能性があります。
もしそれで血液中の二酸化炭素濃度が上がれば息苦しさを感じて、ぷはーっと衝動的に空気を吸うことになるはずですが、ガスパン遊びでは、酸素が取り込まれないことに加え、二酸化炭素に大きな濃度変化も起きないため、息苦しさを感じずにガスを吸い続けてしまいます。
また、万が一ビニール袋の中をガス100%近くにしてしまうと、肺で血液中の酸素がビニール袋中のガスの中に殆ど出ていってしまうため、一呼吸で命を落としてしまうような酸素欠乏症を引き起こす恐れがあります。仮に死亡する前に救急搬送されたとしても、脳に重い障害を残す可能性が低くありません。
ガスパン遊びの酔ったような浮遊感は脳の損傷が引き起こしています
アルコールや笑気ガスとは違い、ガスパン遊びで感じる酔ったような浮遊感は、何かの成分が脳に作用しているのではなく、酸素欠乏が脳を損傷することによる障害そのものです。
結果として脳が損傷を受ける訳ではなく、酔ったような浮遊感が損傷そのものです。
しかも、高濃度(低酸素濃度)のガスを吸いこんだ場合、一呼吸で死亡する恐れもあります。無味無臭のガスですから、十分に起きる可能性があります。
一応未成年者にはガスボンベの販売はしないことになっていますが、簡単に手に入ってしまいます。簡単に手に入りますが、一瞬で命を落とす可能性があるガスパン遊び。
大切な未来を無駄にしてしまわないために、ガスパン遊びは絶対に止めましょう。
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