発がん性があるかも知れない食品中のアクリルアミドにご注意ください
2019/06/12
聞き慣れない単語かも知れませんが、実は毎日のように接している化学物質なんです。国際がん研究機関(IARC)による発がん性分類において「2A:人に対しておそらく発がん性がある」に分類されていて、ディーゼルエンジンの排気ガスと同レベルであるとされています。(※但し、現時点では人間にガンを発生させた実例は確認されていないそうです。)
120℃位上の加熱調理で発がん性物質アクリルアミドが生成
国際がん研究機関(IARC)が発がん性分類で2Aに指定しているアクリルアミドは、原料に含まれる
- 特定のアミノ酸
- 糖類
が、
- 焼く
- 揚げる
- 焙る
- 煎る
など120℃位上の高温で加熱調理をすると化学反応によって生成されてしまいます。同じ調理方法でも、水分が少ない食材ほどアクリルアミドが生成され易いと言われています。
アクリルアミドが多く含まれる(かも知れない)食品
- 焼く
- 揚げる
- 焙る
- 煎る
などされた食品にアクリルアミドが含まれています。原材料と加熱の度合いによってアクリルアミドの多い・少ないは違いますが、以下の食品には多めに含まれていると考えて間違いはありません。
- ポテトチップス
- フライドポテト
- ビスケット
- コーヒー
- 麦茶
- ほうじ茶
- アーモンド
- 野菜の素揚げ
- 野菜の炒めもの
- トーストしたパン
- かりんとう
などに多く含まれています。(※詳しくは厚生労働省の「食品中のアクリルアミド分析結果」を参照ください。)
以上の食品に比較的多く含まれていますが、中でも焦げた部分に多く含まれていますので、焦げた部分は避けた方が安全です。昔から「焦げた部分を食べるとガンになる」って言われますが、このことだったのかも知れませんね。
アクリルアミドによる健康被害を防ぐ方法
余り神経質になる必要はないみたいで、厚生労働省などもアクリルアミドを多く含んだ食品を偏って多く摂取するのを避けて、
- 生野菜
- 果物
などを意識して摂取することを勧めています。
また、調理方法については、
- 煮る
- 蒸す
された野菜にはアクリルアミドが生成されないことから、焼く・揚げるなどの調理方法に偏らずに、煮る・蒸すなどの調理方法も上手く取り入れて、調理をすると安心です。
ポテトチップスやフレンチフライに非常に多くのアクリルアミドが含まれていますが、これは調理方法によるもので、じゃがいもが悪い訳ではありません。ただ、じゃがいもは、アクリルアミドを生成するのに必要な
- 特定のアミノ酸
- 糖類
を豊富に含んでいますので、120℃位上の温度になる焼く・揚げるなどの調理方法をとる場合は、注意が必要です。
じゃがいもは冷蔵庫に保管すると糖質が増加してしまいますので、調理によってより多くのアクリルアミドが生成されてしまう恐れがあります。
そこで、焼く・揚げるなどの調理をする場合は、
- じゃがいもは冷蔵庫に保管せず、風通しのよい日の当たらない場所に保管する
- 冷蔵庫に保管してしまった場合は、調理の前に1週間ほど常温に置いて、糖質を減少させる
ようにすると安心です。
ベイクドポテト・焼き芋の焦げた部分やフライドポテトのしっかり挙がったカリカリの部分が僕も好きなのですが、好んで食べるのは避けた方がいいかも知れません。
国際がん研究機関(IARC)による発がん性分類においてディーゼルエンジンの排気ガスと同じ「2A:人に対しておそらく発がん性がある」に分類されているとは言え、はっきりとガンとの因果関係は確認されてはいませんので、気にし過ぎて精神的に参ってしまうのは本末転倒だと思います。でも、もしかしたら発がん性のあるかも知れないものを好んで食べるというリスクを取る必要もありません。
120℃位上の高温で調理された食品は体に良くないかも知れないので、そればかりを選んで食べることや焦げた部分を好んで食べることを避け、バランスよく、色々な食材、色々な調理方法の食事をとるように心がけましょう。
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