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ビタミンA中毒 妊娠中は魚の肝を避けましょう

      2019/06/13

ビタミンAは欠乏しても、過剰になっても健康障害が発生しますが、妊娠中の過剰摂取は胎児に影響が出ますので、気を付ける必要があります。一部の魚の肝にも高濃度のビタミンAが含まれるため、避けた方が安全です。

ビタミンAの過剰摂取による問題

厚生労働省による妊婦の摂取上限は5000IUとされています。もし10000 IU/日以上を続けて摂取してしまうと胎児に奇形が発生する確率が上昇すると言われています。妊娠12週までにビタミンAを15000 IU/日以上を続けて摂取してしまうと水頭症などの胎児奇形発生の危険度が5000 IU/日未満の妊婦に対して3.5倍も高くなると言われています。(しかし、欠乏した場合も深刻な胎児奇形の危険性が生じると言われています。)

ただし、過剰摂取によって奇形が起こるのはサプリメントに含まれるビタミンA(レチノイン酸)であって、動物由来のビタミンA(レチノール)の場合は20000 IU以上摂取しても問題がなかったとも言われてもいますので、ビタミンAを高濃度で含む魚の肝を食べても問題はないかも知れませんが、ビタミンA中毒を起こす場合もありますので、適量摂取を心がけましょう。

ビタミンA中毒

急性の中毒量は100万IU以上です。慢性は連日25000IU以上の摂取になります。「100万IU」と聞くと「そんなに食べないから大丈夫!」って思ってしまいそうになりますが、イシナギ(日本では1960年に禁止)の肝臓には10~20万IU/gのビタミンAが含まれていますので、5~10gで中毒を起こします。要注意です。

ビタミンAの症状は

ビタミン A 過剰症には、急性と慢性の症状があります。急性の中毒症状は、腹痛、悪心、嘔吐、めまい、過敏症などが出現した後、全身の皮膚落屑がみられます。北極熊の肝臓や魚の肝油を大量摂取した場合などにみられることが知られています。一方、慢性の中毒症状では、全身の関節や骨の痛み、皮膚乾燥、脱毛、食欲不振、体重減少、肝脾腫、脳圧亢進による頭痛及びうっ血乳頭などを示します。連日 25,000I.U.(I.U.は国際単位で、25,000I.U.は 7,500μgREに相当)を服用すると慢性症状が出現すると言われています。

内閣府 食品安全委員会 ファクトシートより

因みに25000IUは鶏のレバーだと53.6gです。気を付けましょう。

ビタミンAが非常に多い食品

  • イシナギ(1960年に禁止・肝臓を取り除けば販売可能)
  • サメ
  • マグロ
  • カツオ

身ではなく、肝臓にビタミンAが多く含まれています。釣りをされる方などはご注意ください。

また、食用ではありませんが、ホッキョクグマとヒゲアザラシの肝臓にもビタミンAが非常に多く含まれているそうです。ホッキョクグマを食べることもあるイヌイットも肝臓は食べないそうです。かつて北極観測隊が誤ってホッキョクグマとヒゲアザラシを食べて中毒を起こしたこともあります。機会はないと思いますが、一応記憶に留めてくださいね。

一番危険なのはサプリメント

イシナギ・サメ・カツオ・マグロの肝臓を食べる機会はそうそうありません。ましてやホッキョクグマやヒゲアザラシなんてほぼ不可能でしょう。ただ、サプリメントを誤って多く摂取して中毒を起こす可能性は十分にあります。

欠乏すれば恐ろしいビタミンAですが、過剰になっても恐ろしいビタミンですので、不足しているかなって思った時は医師、薬剤師、栄養士などに相談して、正しく摂取するようにしましょう。「体に良さそうだから念のため飲んどこうか」的な摂取は絶対に止めましょうね。

 - 健康, 生活, 育児, 食中毒, 食品

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