スキー教室で事故　12歳女児が死亡　広島県北広島町

学校のスキー教室中に衝突され死亡

1月2日の正午前、広島市北広島町の「芸北国際スキー場」で、体育の授業でスキーに来ていた北広島町立芸北小学校の６年生の女児（12）とスノーボードの男性が衝突し、女児は搬送先の病院で死亡が確認されました。

女児の死因は、胸を強く打ったことで大動脈が破裂（外傷性大動脈解離）し、血液が漏れて心臓が圧迫される心タンポナーデでした。女児はヘルメットを被っていましたが、胸を強く打ってしまいました。

また、衝突した男性（38）は、首の骨が折れ、四肢まひの重傷を追っています。目撃した人によれば、ターンした際に女児の左側からぶつかったそうです。

当時、亡くなった女児はスキー教室の最後の自由滑走中だったといい、10人余りのグループで滑っていたそうです。集団の中に男性が突っ込んでいった可能性があります。目撃者の証言などをもとに、広島県警が事故発生時の状況を調べています。

スキー場は危険だらけ

スキー場は思われているほど安全ではありません。ヘルメットを被っていても、大怪我や死亡する事故が発生します。元F1パイロットのミハエル・シューマッハ氏もヘルメットを被った状態で転倒し、生死の境をさまようほどの重傷を負いました。

亡くなった男性がどのレベルだったのかは分かりませんが、初心者・中級者だったとすると滑走速度は10～20km/h、女児が滑る速度が遅かったとしても、衝突する向きによっては、15～30km/hの速度で衝突するのに近い衝撃が加わります。衝突した後に、大人に上に乗られ、圧雪したゲレンデに挟まれれば、大怪我を負うのも当然です。

今回、体育の授業の一貫としてスキー場を訪れていた北広島町立芸北小学校は、60名を教師やインストラクター12名が指導する中でスキーの練習をしていました。

しかし、事故が起きたのは授業の終わりの自由滑走。指導者の目が行き届かない場面です。全長500メートルの初心者用コースを滑っている時に、コース終わりの100～150m手前で男性と衝突してしまいました。

高速で滑り降りるかも知れないスノーボードの大人と同じゲレンデで体の小さな小学生が自由滑走することに問題があったように思います。危ないとは思いつつも、授業中の生徒達と一般のスノーボードやスキー客とを分けることが難しいから仕方がないとして、同じ場所で滑っていたのだと思いますが、危ないと思っていたのであれば、安全を祈る以外に出来たことがあるのではないかと思います。

女児が通っていた北広島町立芸北小学校では、２日午後８時から保護者会を開き、事故の概要を説明しました。学校はスクールカウンセラーを置き、子どもたちの心のケアに当たるとしています。それは大切なことですが、亡くなった女児は戻ってきません。

リスクがあると分かっていながら、なぜ防ぐことができなかったのか、真剣に考えて、二度と同じ事故が起きないようにして頂きたいと思います。

2月3日には長野県でスノーボードの男性が衝突死

2月3日午後3時頃、長野県山ノ内町平穏の「一ノ瀬ファミリースキー場」で、神奈川県秦野市平沢の男性（29）が初級～中級コースをスノーボードで滑走していたところ、コースから約3メートル外れた下の立ち木に衝突し、亡くなりました。死因は頭蓋内損傷。頭を立ち木にぶつけたものと見られています。

スキーやスノーボードは開放感も魅力の一つですが、確実に止まる、方向を変える技術が不十分なうちはヘルメットの着用が必要かも知れません。

また、今回亡くなった女児のように、胸を強く打ったことで

• 心臓震とう
• 外傷性大動脈解離
• 外傷性心破裂

などで命を落とす恐れがあります。

ゲレンデを分けることも必要ですが、それが難しい場合もあります。そのような場合には、胸にプロテクターを入れることを検討する必要があります。

バイク用のチェストガードを流用したり、

野球用のチェストガードを流用して装着すると安心です。

ヘルメットに加えてチェストガードも着けて、安心して安全にスノースポーツを楽しみたいですね。