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化血研に過去最長の110日の業務停止処分

      2019/06/12

化血研の業務停止期間が105日を超えることの重大性

熊本県熊本市にある一般財団法人 化学及血清療法研究所(化血研)が、長年の渡って不正を行っていた問題で、厚生労働省は過去最長の110日に渡る業務停止処分を行う方針を固めたことが分かりました。

2010年4月13日に田辺三菱製薬が子会社が血液製剤の試験データを改ざんしたとして25日間の一部業務停止と業務改善命令を受け、2014年7月に業務改善命令を受けたノバルティスファーマが2015年3月に副作用の報告義務違反によって15日間の業務停止処分を受けています。田辺三菱製薬もノバルティスファーマも犯した不正は重大でしたが、25日と15日とそれほど長くはなく、化血研の110日の処分と言うのは非常に長く、如何に厚生労働省が今回の不正を重く見ているかが分かります。

因みに、期間では1994年には抗ウイルス剤の副作用(死亡)の報告をせずに、抗ウイルス薬発売後に死者15人を出した日本商事が105日間の製造業務停止処分を受けたのがこれまでの最長です。

厚生労働省は既に処分の方針を化血研側に伝えていて、年明けに化血研の弁明を聞いた上で最終決定をすることになるそうです。

ワクチン製造などへの影響が懸念されます

今回の化血研の不正によって死者や健康被害は報告されいない中での105日を超える業務停止処分は異例中の異例なんですが、長年に渡って国側の検査に対して虚偽の製造記録を見せるなどの隠蔽工作は非常に悪質であると判断して、過去最長規模の処分が妥当であるという判断に至ったと思われます。

日本商事による薬害事件「ソリブジン薬害事件」は同社株のインサイダー取引も絡む悪質なもので大きな社会問題にもなりました。それが105日の業務停止だとすると、今回の化血研に対する業務停止期間はそれを大きく超えるものにはできず、110日に落ち着いたものと考えられます。

約3ヶ月、化血研の業務が止まることになります。製薬会社でなければ躊躇なく「当然」って思いますが、製薬となると影響する人には命に関わる恐れがあるので、心配です。ただ、そこは厚生労働省も抜かりがなく、業務停止期間中は製品の出荷ができなくなりますが、

患者への影響が大きい一部のワクチンや血液製剤は対象から外す

予定とのことですので、この業務停止によって命を脅かされる方は出なくて済みそうです。(考えてみれば当たり前ですね。)

大手の不正が続いています

  • 2010年 田辺三菱製薬
  • 2014~2015年 ノバルティスファーマ
  • 2015年 化血研

大手による不正が続いてしまっています。化血研は40年以上に渡って不正を続けて、それが国による検査をすり抜けてきてしまっていました。その他の製薬会社が同じような不正を行っていないことを祈ります。

食の安全も勿論、薬は人の命に直結するものです。病気を治すために疑う気持ちを一切持たずに安心して薬を飲んだりできるような製薬会社であって欲しいです。

製薬会社が信用を失うと薬の効きが悪くなってしまったり、逆プラシーボ効果(ノセボ効果)が出てしまう恐れがあります。今回の110日の業務停止処分によって、化血研は勿論、その他の製薬会社もぴりっとして、今後は重大な不正が起きないことを心から祈ります。

あとがき

厚生労働省が化血研に対する業務停止処分の日数が110日でほぼ確定したという報道がされています。関係者への取材で分かったそうです。

これまでの最長期間は、1994年には抗ウイルス剤の副作用(死亡)の報告をせずに、抗ウイルス薬発売後に死者15人を出した日本商事の105日間でしたが、今回はその記録を更新しました。

今回の不正では死者こそ出していませんが、長年に渡って国を欺き、製薬の信頼を揺るがす大事件でしたので、過去最長の110日の業務停止処分が下されたようです。

業務停止処分が下され、その期間をやり過ごせば終わりではありません。厚生労働省からの天下りでぐずぐずになった関係も正しいし、社内のチェック機能が正しく働くように制度改革も進める必要があります。人の命に関わることですから、今回は遠慮なしに改革を進めてもらえることを期待しています。

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