関西のおばちゃんがアメちゃんを持つわけ、あげるわけ
2019/06/12
「兄ちゃん、アメちゃんあげるわ。」
何度も言われたことがあります。僕は余りアメを食べる方ではないので、僕が食べるアメは結構な割合で関西のおばちゃんからもらった「アメちゃん」だったりします。こどもの頃に食べて以来、純露をもらって食べた時は懐かしすぎて涙が出そうになりました。
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「アメちゃん」ネタは、ずっと関西人あるあるでしたが、テレビでも盛んに紹介されるようになって、日本全国にこの習性が知れ渡ることになりました。既にあるあるを超えて常識になりつつあります。
そんな「関西のおばちゃんがいつもアメちゃんをバッグに入れている」ことには、結構理に適った理由があるって知ってました?
実は関西以外のおばちゃんもアメをバッグに入れています
ただ、関西以外のおばちゃんは、
- 自分を「おばちゃん」とは呼ばないし、「おばちゃん」とは呼ばせない
- アメを「アメちゃん」とは呼ばない
という違いはあります。
ですが、おばちゃん(関西以外では「そこそこの年齢の女性」)は常にバッグの中にアメを入れていることは同じです。
なぜおばちゃん(面倒なので以下「おばちゃん」で統一させてください)がアメを持っているのかですが、それは男女を問わず、ある生理現象に理由があります。
それは、
中年になると唾液の分泌量が激減する
という悲しい事実。
若い頃、つば(唾液)なんて吐いて捨てるほど出るので、ちょいワル中高生などは道端につばを吐き散らす訳ですが、口の中が砂漠状態の僕には憧れの光景です。吐き散らすほど出てくれたらどんなに楽か。
朝起きれば口の中はいつもカサカサ、ヨダレで枕を濡らすなんていうのは遠い昔の話。この先、涙で濡らすことはあっても、ヨダレで枕を濡らすことは二度と無い。悲しくなります。ちなみに、バスや電車で居眠りしてもヨダレは垂れなくなったのはちょっとありがたいです。
ペットボトルや水筒でお茶を持っていれば飲めるのですが、荷物が多い時などには、アメを口に放り込めばそれなりにつばが出て、口の中のカサカサが改善されます。
そんな訳で、口の中が乾燥して困った時、ペットボトルや水筒を持っていない時、または水分を控えなければならない場面で、口の中を潤す必要があって、ある年齢になった頃からアメを常に持ち歩くようになります。
恐らく関西でも関東でもおばちゃんはアメを持っていると思いますが、もし関西のおばちゃんの方がアメを持っている率が高いとすれば、
- 関西のおばちゃんは良く喋る(人付き合いがいい)ので、口の中がより乾きやすい
- アメちゃんは関西のおばちゃん社交界の名刺代わりになっている
- 美味しいものを探求する気持ちが強い(より美味しいアメを探してしまう)
ためだと思います。
意味も無くアメちゃんを持っている訳でも無いですし、人にあげるためだけにアメちゃんを持っている訳でもありません。アメちゃんは唾液の減少という生理現象から来る不快感を緩和するためのもの(病院ではサリベートという人工唾液が処方される場合もあります)なんです。
唾液が減ると、
- 口の中が乾いて、不快(その上、臭うことも)
- 口腔内の衛生状態が悪化して虫歯や歯肉炎などを起こし易くなる
- 風邪などの感染症にかかりやすくなってしまう
などの問題がある訳ですので、アメちゃんを定期的に口に含むことには健康上のメリットもありますが、気になるのはカロリーと虫歯。乾燥しても虫歯になるし、アメを食べても虫歯リスクが上がって、その上太る。キシリトールのアメは虫歯になりにくいものの、食べ過ぎるとお腹を壊す。結構ややこしい問題です。
- 虫歯にならない
- お腹を壊さない
- 唾液が出て、口腔内の衛生状態が維持できる
- 太らない
というアメちゃんが売り出されたら、売れると思いますよ。
関西のおばちゃんはアメちゃん以外もくれたりします
顔見知りのおばちゃんや知り合いになったばかりのおばちゃんからアメちゃん以外にも色々頂いたことがあります。
- アイス(直ぐ食べないといけないので困る時も)
- パン
- どら焼き・まんじゅうなどの和菓子
- とうもろこし
- 栗
- 焼き魚(出先でもらうとちょっと困ります。。。)
要は旬のものだったり、その時に偶然持っていた美味しいものがあるとおすそ分けしてくれます。それで、アメちゃんしかない時には、
「アメちゃんしかないわ。ごめんな。」
と言ってアメちゃんをくれる時もあります。
関西のおばちゃんと言えば「アメちゃんをくれる」っていうイメージが定着している感がありますが、何だか訳も分からずにアメをくれるという変わった生態がある訳ではなくて、出会った相手を喜ばせたいというホスピタリティ溢れているのだと僕は考えています。関西以外の人からすれば、知り合ったばかりの方から「アメちゃんあげる」って言われたら、ギョッとするかも知れませんが、常にアメを持っていること、そしてアメをあげることにはこんな背景がありますので、是非温かい目で見てあげてください。
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