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カルバペネム耐性腸内細菌科細菌(CRE)の危険性

   

11月22日、久留米大学病院で10月から11月にかけて高度救命救急センターなどに入院した患者4人に抗菌薬「カルバペネム」が効かない耐性菌「カルバペネム耐性腸内細菌科細菌( (Carbapenem-resistant enterobacteriaceae:CRE)」の感染と発症が見付かり、そのうち1人が亡くなったことが分かりました。

既に8月頃から院内において耐性菌「カルバペネム耐性腸内細菌科細菌(CRE)」の保菌者が増え始め、10月には18件の検出があったため、院内感染予防策を強化していましたが、4人の発症と1人の死亡に至る事態となってしまいました。

これを受けて、久留米大学病院では「院内感染の可能性が高い」として、高度救命救急センターの一部を閉鎖し、現在調査している。また、43床のうち10床を「カルバペネム耐性腸内細菌科細菌(CRE)」治療区画として閉鎖・隔離し、患者の受け入れ数を平常時よりも抑制しています。

久留米大学病院の高度救命救急センター以外の診療科でも別に1人感染者が出ていますが、状況から見て院内感染ではないと考えられています。

院内感染の経緯を解明して、一日も早く対策がされることを祈っています。

耐性菌「カルバペネム耐性腸内細菌科細菌(CRE)」とはどんな菌でしょうか

そもそも

カルバペネム耐性腸内細菌科細菌

とは、悪性感染症の治療の最終手段として使われることが多い

カルバペネム系抗生物質(イミペネムやメロペネムなど)やβ-ラクタム系抗生物質

を分解してしまう酵素のカルバペネマーゼを産生する腸内細菌科の細菌の総称です。

この腸内細菌科には

  • 大腸菌
  • 肺炎桿菌
  • サルモネラ
  • セラチア
  • 赤痢菌
  • ペスト菌

など多くの菌が該当します。

腸内細菌科だから腸内細菌のことだろうと思ってしまいますが、ややこしいことなのですが、実は腸内細菌科に属する細菌が腸内細菌に占める割合は1%にも満たないことが分かっています。

腸内細菌科に属する細菌が、人や動物の腸管と深い関わりを持ち、その多くの菌種は人や動物の腸内細菌として宿主に寄生していることに間違いはありませんが、ほとんど全ては腸内細菌科に属さない偏性嫌気性細菌によって構成されています。

昔、偏性嫌気性菌を培養することができなかった時代、当時の培養方法で腸内細菌を培養したところ、腸内細菌のうち

  • 偏性嫌気性菌(99%以上)⇒死滅
  • 腸内細菌科の細菌(1%未満)

となり、腸内細菌科の細菌のみが培養されたことによって、腸内細菌科の細菌があたかも腸内細菌の代表的な菌種であると勘違いされたことに名前は由来しています。

その腸内細菌科に属する細菌のうち1%未満の確率ではあるものの、酵素のカルバペネマーゼを産出することによってカルバペネム系抗生物質などに耐性を持っています。ただ、カルバペネム系抗生物質などへの耐性自体はそれほど危険な訳ではなく、通常は人や動物などの常在菌として存在していて、特に神経質になる必要はありません。

今回、久留米大学病院の高度救命救急センター以外の診療科でも別に1人感染者が出たことについて、状況から院内感染ではないと考えられていることも、このような背景があってのことでした。病院内での抗生物質の使用で薬剤耐性を持ってしまった訳ではなく、元々存在する腸内細菌科の細菌の1%未満が薬剤耐性を持っているということです。

この非常に厄介な「カルバペネム耐性腸内細菌科細菌( (Carbapenem-resistant enterobacteriaceae:CRE)」も、健康な人にとっては数多くある常在菌の一つに過ぎず、特に問題を起こすことはありません。

カルバペネム耐性腸内細菌科細菌(CRE)が牙を剥く時

そんなカルバペネム耐性腸内細菌科細菌(CRE)が危険なのは病院における治療時です。

外科手術後、長期間に渡って抗生物質による治療を行っている場合、そして免疫力が低下している場合などに、カルバペネム耐性腸内細菌科細菌(CRE)感染を起こすと、治療の切り札となる

カルバペネム系抗生物質(イミペネムやメロペネムなど)やβ-ラクタム系抗生物質が効かない

ことで深刻な問題となります。

このような状態において、カルバペネム耐性腸内細菌科細菌(CRE)が腸管等に留まらず、膀胱や血液に入った場合、血流感染を引き起こし、敗血症などにより患者の最大50%が命を落とすと言われています。(致命率50%)

医療の現場においては非常に恐ろしい病気ですが、健康な人にはそれほど恐れる必要がない細菌でもあり、明日からも今日と同じように生活をして行って問題ありませんが、このニュースがYahoo!のニュースに取上げられた時、

人食いバクテリア、患者数が過去最多に

「人食いバクテリア」とも呼ばれる「劇症型溶血性レンサ球菌感染症」の今年の患者数が442人となり、過去最多になったことが分かりました。

出典:TBS系(JNN) 11/22(火) 14:20配信

というニュースと並んでいたため、ヒヤッとした方も多いかも知れません。

名前が非常に仰々しいカルバペネム耐性腸内細菌科細菌(CRE)よりも、劇症化する理由やきっかけが明らかになっていない人食いバクテリアことA群溶血性レンサ球菌による感染症の方が日常生活に関係があって注意が必要かも知れません。

注意と言っても手洗いや傷口を清潔にするなどしかありませんが、やはり

  • 手洗い
  • うがい
  • 傷口を清潔に保つ
  • 死んだ水(溜池など)には入らない

など、昔から言われていることをしっかりすることが大切なんでしょうね。

これからの季節、インフルエンザなど呼吸器系の感染症(風邪)も流行りますので、特に手洗い・うがいをしっかりしたいと思います。

 - 健康, 安全, 生活, 病原菌

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