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運転中の意識喪失で死亡事故を起こした女性が無罪

      2016/12/08

気になるニュースがありました。

特発性過眠症による意識喪失で起こした死亡事故が無罪

2014年7月、福岡県春日市内で運転中に意識を失って、歩道を歩いていた男性をはねて死亡させる事故がありました。その被告が過失運転致死罪に問われた裁判で、福岡地裁の潮海二郎裁判官は、

運転中に意識消失状態に陥ることを予見することは困難だった

として、求刑禁錮2年に対して、無罪を言い渡しました。

検察は予見が可能だったはずと主張

検察側は、

女性が事故前にストレスなどで特発性過眠症に罹患し、立ちくらみなどを経験していたことから、運転すれば意識消失状態になることが予見できたはず

と主張しましたが、判決では

  • 女性が特発性過眠症と診断されたのは事故後
  • 特発性過眠症は自覚症状が乏しく、診断前に病気に罹患していると認識することは困難

と予見可能性が否定され、無罪判決となりました。

予見は難しくても、運転を控えるか、運転スタイルを変えるべきだったかも知れません

僕は2007年に特発性過眠症だと診断されました。特発性過眠症だと思われる症状が出始めたのは、20年近く前になります。

死ぬほど眠くて、会議の最中に居眠りしたり、銀行の支店長室で業績報告中に寝たことさえあります。誰かの報告を聞いている最中に寝たのなら分かりますが、自分が喋っている最中に寝てしまうんです。運転中は特に危険で、高速道路を走っている時にトンネルの壁に当たりそうになったこともあります。壁際の排水用の溝にタイヤがハマって目が覚めなければ大事故を起こしていたかも知れません。

それ以来、車の運転をする前には、必ずカフェイン錠剤とユンケルなどのカフェインを多く含んだ飲料を事前に飲むようにしていました。運転中に眠気を感じたら追加で飲み、それでも耐えられないレベルになったら、仮眠をとるようにしていました。

人によって症状の出方が違うとは思います。僕の場合は、強い眠気を足をつねったり、シャープを体に刺したりして耐えようとすると、手足が震え出して死ぬほど苦しくなります。でも、中には突然寝落ちしてしまうようなタイプの人もいるのかも知れません。

僕の場合は、突然寝落ちするタイプではないので、眠気を感じたら、

  • カフェインを摂取する
  • 仮眠してピークをやり過ごす

ことで乗り切ることができますので、車の運転もある程度は可能です。ですが、突然失神するような形で寝落ちするタイプの場合は、車の運転は極力避けるべきかも知れません。(※特発性過眠症の治療を受けない状態での話です)

今回無罪判決を受けた女性は、立ちくらみなどを起こしていた訳ですから、運転中にそうなったら事故を起こす可能性があることを考えて、車の運転を避けるべきだったかも知れません。

同じ病気に苦しむ一人として、この女性を非難するつもりはありません。ですが、この先同じような事故の犠牲者を出さないためにも、ここから教訓を得る必要があると思います。

異常な眠気、原因不明の立ちくらみや一瞬の意識喪失などは特発性過眠症の可能性があります

もし症状が出始めたばかりで、全く予見が不可能な状況で、事故を起こした場合は、今回のように無罪になる可能性はあります。

ですが、無罪になったとしても、被害者の方への賠償責任や罪の意識が消える訳ではありません。被害者、被害者の家族の苦しみはずっと続きますし、自分の苦しみにも終わりはありません。

もし、しっかり眠っているにも関わらず、

  • 異常な眠気
  • 原因不明の立ちくらみ(内科で問題なしと診断され、心療内科に回されるケースの中には特発性過眠症が混じっている可能性があります。)
  • 一瞬の意識喪失

などがある場合は、特発性過眠症を疑いましょう。

かかりつけの内科では特発性過眠症の名前すら知らない可能性もあります。専門外ですので。適切なアドバイスや紹介が困難な場合は、ネットで最寄りの

睡眠外来

を探してみてください。

僕も睡眠外来に自分で行き、一泊入院して終夜睡眠ポリグラフ検査(PSG検査)で「特発性過眠症」と診断されるまで、

  • 考えすぎ
  • 寝不足
  • 単なる疲労(いわゆる「にんにく注射」を打たれてました)
  • うつ病
  • 慢性疲労症候群
  • ヘルペス
  • 膠原病

色々な疑いがかけられ、大学病院などを次から次へとたらい回しになっていました。

全く原因が分からない中、ネットで「睡眠外来」の文字が目に入り、それが偶然にも近くだったので、問い合わせをしたのが幸運でした。それが無ければ、今でも原因が分からない症状に苦しんでいたと思います。

ただ、特発性過眠症も結局のところは

原因不明の強い眠気が生じたり、意識を失ったりするという病気の状態

というだけで、原因も何も分かっている訳ではありません。でも、診断名が付けば、薬を処方してもらえる可能性がありますし、自分で突然眠ってしまう/意識を失ってしまう可能性があることを認識して、それに備えることも可能になります。

もし思い当たることがある人は、睡眠外来を受診してみてください。

僕が特発性過眠症と診断された2007年はモディオダールが認可された年でした。最初はリタリンを処方されましたが、僕には全く効かず、モディオダールの認可を暫く待ちました。モディオダールが認可された日に一番で処方してもらいましたが、良く効く薬でした。服用している頃は昼間の震えが来る眠気がほとんど無くなり、睡眠時間も8時間ほどで済むようになりましたし、週末の過眠(12時間以上)も不要になりました。ただ、残念なことに僕は思わぬ副作用が出て、今は服用できなくなり、結局はカフェインに頼るしかなくなりました。(※副作用は人それぞれです。副作用が出ない/軽い人もいますので、服用する前から否定してしまうのは勿体無いと思います。)それでも、原因が全く分からずにいた頃よりも、気持ちは楽ですし、眠気をうまくやり過ごすことができるようにもなりました。

同じような症状に苦しむ方は、是非睡眠外来などで診察を受けて、必要な治療を受けてくださいね。発作で自分自身が怪我をしたり、交通事故で他人を傷つけたりすることなく、うまく病気と付き合えるようになれますように。

 - 交通安全, 安全, 安全運転, 生活, 育児, 自動車, 自転車

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