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ブルガリ銀座でノロウイルスによる集団食中毒

      2016/12/27

平成23年から連続で「ミシュランガイド東京」の一つ星★を獲得している「ブルガリ東京レストラン銀座 イル・リストランテ」で集団食中毒が発生したと東京都が12月20日に公表しました。

東京都によると、12月11日に東京都中央区銀座にある「ブルガリ東京レストラン銀座 イル・リストランテ」で開催されたパーティーに出席した男女49人(6~62歳)が下痢や嘔吐といった食中毒の症状を訴え、そのうち12人からノロウイルスが検出されました。

また、調理に当たっていた従業員4人からもノロウイルスが検出されています。

食中毒を起こした全員が軽症で、全員快方に向かっています。不幸中の幸いです。

ブルガリで食中毒

画像:東京都福祉保健局 「食中毒の発生について~中央区内の飲食店が調理し提供した食事で発生した食中毒~」

今回の食中毒を受け、「ブルガリ東京レストラン銀座 イル・リストランテ」では12月16日(金)から営業を自粛していて、中央区は本日から3日間の営業停止の処分を行ったため、営業が再開出来るのは金曜日からになります。

原因食品は12月11日に当該飲食店が調理し提供した食事

東京都によれば、今回の食中毒の原因となったのは、「12月11日に当該飲食店が調理し提供した食事」とし、病因物質は「ノロウイルス」であると断定しています。

しかし、産経新聞には調理に携わった従業員がノロウイルスが感染源だとする記述が見られました。

都は「調理者のノロウイルスが、調理などの際に食事に混入したのが原因」とみている。

出典:産経新聞 12/20(火) 18:42配信 「ブルガリ」49人食中毒 銀座・レストラン

東京都福祉保健局による公表では以下の様になっています。

【調査結果】 

中央区保健所は、感染症と食中毒の両面から調査を実施した。

  • 患者は、当該飲食店で行われたパーティーの参加者138名のうち49名で、12月12日(月)午前7時から翌13日(火)午後5時にかけて、下痢、おう吐、発熱等の症状を呈していた。
  • 患者全員に共通する行動は当該パーティー以外にはなく、患者全員に共通する食事は当該飲食店が調理し提供した食事以外になかった。
  • 複数の患者ふん便及び調理従事者4名のふん便から、ノロウイルスを検出した。

【決定】

本日、中央区保健所は、以下の理由により、本件を当該飲食店が調理し提供した食事を原因とする、ノロウイルスによる食中毒と断定した。

  • 患者の共通食は当該飲食店が調理し提供した食事の他にはない。
  • 複数の患者のふん便からノロウイルスを検出し、患者の症状が同ウイルスによるものと一致していた。
  • 調理従事者4名のふん便から、ノロウイルスを検出した。
  • 当該飲食店内において、おう吐があった等の感染症を疑う情報がない。
  • 本日、患者を診察した医師から食中毒の届出があった。

(中略)

[備 考]

主なメニュー

トマトとバジリコのブルスケッタ、スモークサーモンとクスクスのサラダ、パスタ、リゾット、旬魚介と野菜の串焼き、豚肉のロースト、牛ほほ肉の煮込み、ティラミス、パンナコッタ、ケーキ等

検査関係 12月19日 現在

  • 検査実施機関:東京都健康安全研究センター等
  • 患者ふん便:41検体 検査中(12検体からノロウイルスを検出)
  • 調理従事者ふん便:9検体  検査中(4検体からノロウイルスを検出)
  • 拭き取り検体:10検体 陰性
  • 食品:3検体  陰性

出典:東京都福祉保健局 「食中毒の発生について~中央区内の飲食店が調理し提供した食事で発生した食中毒~」

49名が食中毒症状を訴えた原因は「ブルガリ東京レストラン銀座 イル・リストランテ」で提供した料理が原因であることは間違いないと思いますが、ノロウイルスに感染した従業員のツメの間などに入った大便が料理に付着したのか、それとも仕入れた食材がノロウイルスで汚染されていたのかについて、東京都は断定していません。

  • ノロウイルスに感染した従業員のツメの間などに入った大便が料理に付着
  • 仕入れた食材がノロウイルスに汚染されていた

ただ、拭き取り検体では10検体の全てが陰性、そして残っていた食材の3検体についても全て陰性であったことからすると、従業員から食材にノロウイルスが移り、それを食べた人が食中毒を起こしたと考えるのが自然です。

  • 拭き取り検体:10検体 陰性
  • 食品:3検体  陰性

そもそも、従業員4人が外で同時にノロウイルスに感染して出勤する可能性は低く、恐らく客に提供したものと同じ料理か、同じ食材を使用した、または同じまな板を使用して調理したまかない料理を食べた従業員が客とほぼ同じ時期にノロウイルスに感染したものと思われます。

この日はバイキング形式のパーティーで、料理の内容は以下のものでした。

  • トマトとバジリコのブルスケッタ
  • スモークサーモンとクスクスのサラダ
  • パスタ
  • リゾット
  • 旬魚介と野菜の串焼き
  • 豚肉のロースト
  • 牛ほほ肉の煮込み
  • ティラミス
  • パンナコッタ
  • ケーキ等

旬魚介がどのようなものであったかは分かりませんが、時期的なこともあり、魚介類がノロウイルスで汚染されていた可能性があります。ノロウイルスはどれほど新鮮であったとしても、海で生きていた時点で汚染されていれば、そのまま厨房に運ばれてしまいます。それを調理する際に、加熱が不十分であったか、または魚介を調理した調理器具(まな板や包丁など)の殺菌処理が甘かったために、ブルスケッタやサラダにウイルス移りを起こし、集団食中毒を起こした可能性が高いです。

ノロウイルスは人間の体外では増殖できません

ノロウイルスは感染性を失わせるには、85℃以上1分間以上の加熱をするか、次亜塩素酸ナトリウムなどを使う必要があり、厄介なウイルスですが、人間に感染し、増殖するウイルスゆえに、人間の体外に出ると増殖することができません。

大腸菌や腸炎ビブリオのように食材に付着してから増殖するタイプの細菌は手指から菌移りした菌が増殖して、食中毒を起こす恐れがありますが、ノロウイルスの場合は手指から移ったウイルスは減ることはあっても増えることはありません。

今回、従業員9人のうち4人からノロウイルスが確認されていますが、その4人の手指に付着したウイルスが49人分の料理に感染を起こすだけのウイルス数をこすり付けるのには無理があります。

やはり仕入れた魚介類がノロウイルスに汚染されていて、その魚介類から集団感染を起こしたものだと考えるのが自然です。

ノロウイルスは他の食中毒を起こす原因と異なり、どれほど新鮮な魚介類であっても、仕入れた時点で高濃度に汚染されてしまっている恐れがあります。

食中毒は正しい手洗いと食材の適切な管理で防ぐことが可能

正しい手洗いは確かに食中毒予防には有効ですが、ノロウイルス流行期においては不十分になります。

今回、ノロウイルスが検出された4人の従業員の手洗いが不十分であったために集団食中毒を起こしたかのような記事が産経新聞によって書かれていますが、「ノロウイルス感染=手洗い不足」という側面ばかりが強調されてしまうと、食材が汚染されている可能性に対する警戒心が薄れてしまう恐れがあります。

食中毒予防に正しい手洗いが有効なことはかなり知れ渡っているかと思いますので、これからはノロウイルスが食材がどれほど新鮮であっても汚染されている恐れがあるという知識を広める必要があります。

ノロウイルスの流行期は河口近くに生息する貝類・魚類の生食は避けましょう

二枚貝のカキがノロウイルスに汚染されている恐れがあることは比較的知られていますが、カキ以外の二枚貝も汚染されるリスクがありますし、アワビやサザエなどの一枚貝も汚染されていない保証はありません。

カキ以外に汚染されている可能性がある魚介類には以下のものがあります。

  • バカ貝(中腸腺という内蔵以外にはウイルスはありませんが、さばく際に汚染される恐れがあります)
  • 赤貝(中腸腺という内蔵以外にはウイルスはありませんが、さばく際に汚染される恐れがあります)
  • ホッキ貝(中腸腺という内蔵以外にはウイルスはありませんが、さばく際に汚染される恐れがあります)
  • トリ貝(中腸腺という内蔵以外にはウイルスはありませんが、さばく際に汚染される恐れがあります)
  • ホタテ貝(中腸腺という内蔵以外にはウイルスはありませんが、さばく際に汚染される恐れがあります)
  • アサリ(加熱調理が不十分な場合)
  • シジミ(加熱調理が不十分な場合)
  • ムール貝(加熱調理が不十分な場合)
  • サザエ(中腸腺という内蔵以外にはウイルスはありませんが、さばく際に汚染される恐れがあります)
  • アワビ(中腸腺という内蔵以外にはウイルスはありませんが、さばく際に汚染される恐れがあります)

そして、河口に近い場所に生息する魚やアサリなどの二枚貝をエサとする魚の体内でノロウイルスが生物濃縮を起こしている可能性があります。

  • クロダイ
  • キチヌ
  • キュウセン

二枚貝をエサとしない魚でも、河川や河口付近でとれる魚や生のまま内臓ごと食べるような魚には注意が必要です。

  • コイ
  • シラス(カタクチイワシ・マイワシ・イカナゴなどの稚魚)
  • キス
  • ハゼ
  • スズキ
  • ボラ

食中毒や貝毒といえば夏のイメージがありますが、ノロウイルスによる魚介類の汚染は圧倒的にノロウイルスが流行期に入る冬季にリスクが上がります。

このシーズンは大流行した2012年度と同じペースで推移をしていて、もしかすると猛威をふるった2006年度に迫る恐れもあるほどの流行ぶりを見せています。

「飲食店の調理従事者の衛生管理の問題でしょう!」とたかを括っていると自宅でも同じようなノロウイルスによる食中毒が発生する恐れがありますので、飲食店も一般家庭も警戒が必要です。

これだけのペースで流行をしていると、河口近くや湾などで獲れる魚介類がノロウイルスに汚染されるリスクが大きく上がってきますので、寂しいですが、流行がおさまるまでの期間、リスクが比較的高い種類の生食を避ける方が安全です。

また、病後の人、免疫力が落ちている人、高齢者などは寿司や刺し身などの喫食を避けるだけではなく、サラダ、漬物、酢の物なども避けるとより一層安心です。

【健康上の理由で感染に特に注意すべき人が避けるとより安心な食べ物】

  • サラダ
  • 漬物
  • 酢の物
  • 果物

今回集団食中毒を起こした「ブルガリ東京レストラン銀座 イル・リストランテ」では、提供したメニューの中に刺し身は入っていませんでしたので、十分な加熱調理(85℃以上1分間以上の加熱)や調理器具などの消毒の徹底(熱湯や次亜塩素酸ナトリウムによる消毒)をしていれば防げたケースですので、今後は正しい手洗いだけではなく、どんなに新鮮であっても仕入れた魚介類がノロウイルスに汚染されている可能性があることを念頭においた調理方法やメニューを心がけて頂きたいと思います。

また、これを機会にノロウイルスに関する正しい認識が広まり、ノロウイルスによる集団食中毒が減ることを期待しています。

 - 健康, 生活, 病原菌, 食中毒, 食品

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