LINE(ライン)で大麻を受け渡し 京都大麻事件
ここ数日ワイドショーをにぎわせている京都の小学6年生が大麻を吸っていた事件ですが、兄が大麻取締法違反(所持)で逮捕されました。通信制の高校に通う兄が以前通っていた学校に通う生徒が10月の京都大麻ショックで逮捕された4人の一人であったことから、捜査は大きく動き始めています。
高校生の間での大麻の受け渡しはLINE(ライン)経由
「くさすいたい」などのメッセージが逮捕された高校生のスマホのLINE(ライン)に残っていました。高校生達はLINEでグループを作って、その中で大麻の受け渡しのやり取りをしていました。
今回逮捕された兄はそのLINEのグループには入っていなかったようですが、警察はスマホの通信履歴などから、大麻の入手経路の割り出しなど、全力を挙げて捜査を進めています。
麻薬や大麻の受け渡しと言うと、ドラマや映画の影響で、繁華街の路地裏にディーラーが立っていて、そこに近づき、手の中に隠したお金とブツをスッと交換する、そんなシーンが頭に浮かびます。後は、ディスコやクラブのトイレの出入り口の近く。
きっと今は受け渡しの形も変わっているのでしょう。決まった場所で受け渡しをすれば、足が付いてしまいます。常に場所を変えながら、受け渡しをしているはず。そして、メールやLINEなどのメッセージアプリは隠語を使ったとしても記録が端末だけではなく、サーバーにも残ってしまいますので、プロは避けるのではないかと思います。
- 掲示板を使って隠語でやり取りをする(大麻は「くさ」「野菜」)
- ダークウェブでやり取りをする(ブラウザ「Tor」を使用)
ですが、今回逮捕された高校生達はやり取りにLINEを使っていました。LINEは1対1でも、仲間内でグループを作っても、何だか秘密が守られる感じがします。不特定の相手とのやり取りには使い難いですが、特定の相手と秘密のやり取りをするには都合の良いツールです。ですが、それは警察に捜査されるまでの話であって、捜査されれば過去のやり取りをずるずると引き出されてしまいます。
手軽さゆえに高校生はLINEを使いましたが、逆にそれが今後の捜査に使われます。
京都府警が躍起になっている訳
未成年者、特に小学生の大麻汚染は大きな衝撃があります。体を作っている最中の未成年者は、大麻でなくても、喫煙でも大きな害が出る恐れがあります。
ですが、京都府警が躍起になっているのは、未成年者の健康を守るため(だけ)ではありません。(勿論それも少しあるとは思いますが。)京都市内には反社会的勢力の拠点が数多くあります。それを排除しようとあの手この手で攻めているところです。数年前には、五条木屋町にあった五條楽園という「赤線」時代から残っていた歓楽街が一気に潰されたこともあります。他にも京都には色々な「聖域」がありましたが、それも一つずつ攻め込んでいます。今回の京都大麻事件をその突破口の一つにしようと考えているはずです。
また、観光都市として世界に売り込み、かなりの実績を出している中、「小学生にまで大麻汚染」というニュースは少なからず水を差す形になっています。京都府警だけではなく、京都市や京都府も何としてでもこの問題を解決したいという思惑もあります。
今回逮捕された兄のスマホと合わせて、既に逮捕された生徒のスマホなどの通信履歴の解析を進めて、入手ルートを特定し、反社会的勢力に切り込みたいと京都府警は頑張っています。
京都府警察サイバー犯罪総合対策推進本部は強力です
京都府警察サイバー犯罪総合対策推進本部の名前は京都府だけではなく、他の都道府県でも目にすることがあると思います。非常に有能で強力です。
今回既に逮捕された生徒だけではなく、LINEなどでのやり取りを解析した結果で、この先多くの生徒が事情聴取をされることになるでしょう。慌ててLINEのメッセージを削除したり、アプリ自体を削除している人もいるかも知れません。スマホ自体を買い替える人もいるかも。ですが、インターネットを介したデータは色々なところに残ってしまっています。自分のスマホを処分しても、グループに入れた誰かのスマホに残っていれば終わりです。それとLINEのサーバー側の記録を確認できるかも知れません。(できるかどうかは不明ですが、LINEが捜査に応じる可能性は十分にあります)
もし一時の迷いで大麻を吸ってしまった人がいたら、スマホのデータを消すことに一生懸命になっている場合ではありません。大麻を吸うのは悪いことですが、吸引を理由に逮捕されることはありませんから。それよりも、全容解明のため、警察に知っている事実を話してください。
もし自宅に大麻を持ち込んで隠していた場合、
- バッグの底
- ゴミ箱
- 掃除機
- 空気清浄機
など、どこかに大麻草のカスが残ってしまっています。その場合は、大麻所持で逮捕されます。それを完璧に処分すれば逮捕を免れられると思うかも知れません。ですが、もし自宅に持ち込んだような場合は、大麻草の痕跡が見付かって「所持」にならない場合でも、大麻取締法によって禁止されている
- 売買(譲渡・譲り受け)
- 栽培
- 輸出入
の事実が発覚すれば逮捕されます。
今回の小学6年生の男児は、兄の机の上にあった大麻草を吸引しました。彼は所持も売買もしていません。ですから、大麻取締法には抵触していません。少年法の規定で14歳未満の「触法少年」は刑事責任を問えず、捜査機関は通常、児童相談所に通告・送致されることになっていて、京都府警は少年を児童相談所に通告し、送致か指導かが判断されることになります。大麻の吸引は厳密に言えば「触法」ではありませんので、児童については適切な対応がされることを期待しています。
今回の少年のように友人の勧めで吸っただけという場合を除けば、大麻取締法に違反する行動をとってしまっています。その場合は、証拠隠滅を図らず、自首して、捜査へ全面的に協力することで反省していることも示し、情状酌量を得られるようにするのがベストです。
逮捕履歴は一生付いて回ります。でも、他の犯罪歴と比べると、若気の至りとして不問にしてくれる場合もあるはずです。今回の件を隠し通しても、しっかりけじめを付けない状態ではいつかもっと取り返しの付かない失敗(犯罪)を犯すはずです。自分のしたことに責任を持ち、変な隠ぺい工作はせずに、しっかり反省をして、ゼロからやり直してください。
僕は大麻に大きな問題はなく、大麻取締法を改正して、合法化するべきだと思っています。ですが、法律は法律です。今の法律で禁止されていることはすべきではありませんし、法を犯せば罰せられるのも仕方がありません。おかしな法律に違反したことで罰せられることを理不尽に感じるかも知れませんが、覚悟を決めてください。将来を守るために隠すのではなく、将来のために自首して再スタートへの一歩を踏み出しましょう。
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