赤いツブツブがウヨウヨ
2019/06/13
残念ながらダニなんです
形を見て「もしかしたらそうかも」と思いながら、そうでないことを願っていたあなた、残念でした。ウヨウヨしている赤いツブツブは「カベアナタカラダニ」というダニなんです。
「アカムシ」ではないです
春から初夏にかけて、コンクリートブロックなんかをじっと見ると、赤いつぶつぶがウヨウヨ。思い出しただけでぞっとする光景です。こども達はめざとく見つけて「アカムシ」とか呼んでいますが、本当の名は「カベアナタカラダニ」といいます。「ダニ」という名前に反応してしまいますが、人畜無害です。ちなみに「アカムシ」はユスリカの幼虫です。
ダニなのに人畜無害?
カベアナタカラダニはダニ目前気門亜目タカラダニ科アナタカラダニ属に分類される正真正銘のダニ。コンクリートの上に多いのは、そこに生える地衣類や付着した花粉を食べているためのようです。
人の体液を吸うことはありませんが、払いのけた拍子にストローのような口が刺さって炎症を起こしたという例はあるそうです。また、潰した時に出る汁を皮膚につけたままにすると、発疹がでる恐れがあるそうですので、触れてしまった時は速やかに洗い流しましょう。
人への害はごく稀ですが、洗濯物についたタカラダニが潰れて汚れるという害はあり、見た目だけではなく、主婦には嫌われています。
これらはカベアナタカラダニ側の過失ではないので、基本無害だと言ってよいと思います。
生態
見つかるのはメスばかりで、オスが見つかったことはなく、単為生殖を行っていると考えられていますが、詳しいことは良く分かっていない生き物です。
幼虫期
コンクリートの上などで地衣類と花粉を食べて育ちます。わたし達が良く目にするのはこの頃です。4月下旬から7月にかけて爆発的に増えて、急に姿を消します。
幼虫期(後期)
セミやカブトムシなどの昆虫に寄生します。クモにも寄生するそうです。十分に体液を吸うと地上に落ちて、脱皮して若虫になります。
若虫・成虫
花粉や小型の昆虫を餌にします。
ご注意ください
皮膚の厚い成人は比較的大丈夫ですが、皮膚の薄いこどもは接触を避けた方がよいでしょう。労力をかけて駆除する必要はありません。洗濯物への付着が気になる場合は、干し方を工夫するといいでしょう。
ちょうど気候の良い時期ですので、小さいこどもが屋外でコンクリートや石に座ったりすると思いますが、遊び終わったら手を洗うか、ウエットティッシュで拭くなどすると安心です。心配して、外遊びを控える必要はありません。うまく共存する方法を見つけるのが吉ですよ。
関連記事
-
日本にも存在した恐怖の毒うなぎ
「日本の毒ガエルはヒキガエルだけじゃないんです」で書いたんですが、ヒキガエル以外 …
-
川や滝への飛び込みは死ぬほど危険
猛暑が続き、水の事故も続いています。東京都青梅市の多摩川で、男性が高さ約5メート …
-
雷雲接近中
雷鳴が聞こえます。光ってから3~5秒程度、1.0~1.7キロ。かなり近いです。そ …
-
猛毒ヒョウモンダコが日本海を北上中 若狭湾でも捕獲
「殺人ダコ」の異名を持つ猛毒のヒョウモンダコが太平洋側だけではなく、日本海側でも …
-
熊本震度7地震 今後も余震に注意してください
4月14日21時26分頃、熊本県熊本地方でM6.4の地震が発生し、最大で震度7を …
-
ゲジゲジに咬まれた(刺された)時の対処法
ゲジゲジの毒はどんな毒? ゲジゲジ(正式にはゲジ)が弱いながらも有毒だというのは …
-
契約アンペア超えてブレーカー落ちました
料理をしている時に「シューン」って感じで停電状態に。一瞬停電かと思いましたが、す …
-
後家蜘蛛(ゴケグモ)にご注意
毒が強く、咬まれたひとが亡くなって後家(未亡人)をつくるというゴケグモ。(本当の …
-
寄生虫のハリガネムシは爪から入るの?
寄生虫なのにハリガネムシは人気者 おとなが爪の間から入ると信じている寄生虫はハリ …
-
ペルーでまた観光客が自撮り事故死 今度は滝で
ペルーで自撮りによる事故死が起きていたことが分かりました。 しかも、マチュピチュ …
- PREV
- クマバチとスズメバチ
- NEXT
- 歯科治療で感染する病気