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スキーでのこどもの死亡事故を無くすために

      2019/06/12

芸北国際スキー場での小6女児死亡事故は防げたのでしょうか

1月2日、広島市北広島町の「芸北国際スキー場」で、体育の授業でスキーに来ていた北広島町立芸北小学校の6年生の女児(12)とスノーボードの男性が衝突し、女児が死亡した事故では、コースの上と下に分かれて見守っているはずの教師と指導役の保護者の2人は頂上付近にいて、事故の現場にはいなかったことが分かっています。校長によれば、明確な指導規則は定めておらず、管理体制の不備が指摘されています。

ただ、仮に

  • 明確に指導規則が決まっていて
  • 頂上に1名、コース終点に1名の見守り役を配置

していたとしたら、事故を回避出来たのでしょうか。事故の場面を目撃することは出来たかも知れませんが、100~150m先で起きそうな衝突事故を回避することができるとは考えにくいです。

ボーゲンでゆっくりゆっくり角度をつけて降りてくるこどもと違い、スノーボードは小さな角度で速度を出して降りて来ることが多いと思います。こどものスキー教室がスノーボードと同じゲレンデで行われるのは避けた方が安全です。(スノーボードをされる方にも怖いと思います。)

ですが、一部でスキーとスノーボードを分けているスキー場があっても、全てのスキー場でそのような措置をとることは不可能ですから、別の方法を考える必要があります。

ぶつかることを前提にした装備をするべきです

ぶつからないようにと何人も指導員を配置しても、突っ込んでくる大人を制止することは困難です。

  • リフトの支柱
  • 立ち木

に衝突して死亡することがあるほどですから、体を使って制止すれば、双方が大怪我をする恐れもあります。

ですから、

  1. 衝突を避ける最大限の努力を払った上で
  2. それでも衝突する可能性があることを覚悟して
  3. 衝突した場合に備えて頭と胸を守る装備を

することが必要だと思います。

少年野球のピッチャーは、打球を胸に受けて心臓震とうを起こし、適切な処置がなければ死亡する恐れがあります。どれだけ安全面に配慮したところで、打球が胸に当たることはあり得ます。

だからと言って、

  • 当っても怪我をしないスポンジボールにする
  • 投手の前にネットを置く(バッティングピッチャー用のあれ)

することはできません。野球でなくなってしまいます。だから、胸にボールが当たること前提で、こどもはチェストガードを付けるようになってきています。

ミズノの胸部保護パッド

アシックスの胸部保護パッド

スキーも同じです。

人との衝突や激しい転倒で胸部を強くぶつける可能性がありますから、野球の胸部保護パッドに準じたパッドを装着することは有効だと思います。特にスキーを習いたてで、しかも心臓がか弱いこどもは、危険を回避する能力が不十分な上に、胸部を打った場合の影響が大きいため、是非とも胸部保護パッドの装着を標準にして頂きたいと思います。

またヘルメットもスキー教室で準備している申し訳程度のヘルメットではなく、スノーボード(特にフリースタイル)で使用するようなしっかり衝撃を吸収できるタイプのものにすべきです。

内側に衝撃吸収材がない、または殆ど無いタイプのヘルメットは、エッジが当たった時などの裂傷は防ぐことができますが、強く頭を打った際に衝撃を吸収してはくれません。自転車でも工事現場などで使う「安全ヘルメット」を被っている子がいますし、学校でそれを指定している場合があります。

自分で転んだ時に軽く頭を打った際のコブを防止してくれますが、事故では頭を守ってくれません。ほぼ100%の衝撃が脳に伝わって、脳を破壊します。

自転車も、スキーも、十分な衝撃吸収材が入ったヘルメットを選んでください。

SWANSのスノーボード用ヘルメット

GIROのスノーボード用ヘルメット

スミスのスノーボード用ヘルメット

北広島町教育委員会は近く専門家らによる事故検証委員会を設け、今回の事故の検証と今後の事故防止策について話し合う予定としていますが、明確に決められていなかった指導規則を細かく決めても、指導員の数を増やしても、事故は起きます。

事故の起きる可能性を減らすことは勿論必要ですが、事故が起きた場合に最小限の怪我で済むような装備を整えることを忘れてはなりません。

是非

  • 衝撃吸収性能の高いヘルメット
  • 胸部保護プロテクター

の装着を標準にしてすることを検討して頂きたいと思います。

 - スポーツ, 学校等, 安全, 小中高, 生活, 育児

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