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大麻所持 京都の高校生4名逮捕について思うこと

      2015/11/11

京都市で大麻所持によって高校生4名が逮捕されたニュースは多くの人の関心を集めています。(過去記事「京都も大麻汚染 市内の高校生4人が逮捕」

今は学校探し・逮捕者探しに躍起になっています。学校探しまではいいと思いますが、逮捕者探しは止めてあげて欲しいと思います。

京都市内の私立小学校で起きた「いじめ加害者ではなく被害者3名が転校した事件(過去記事「京都の私立小学校 いじめ被害者が転校の謎」」について、問題を放置した担任と加害者の実名探しが続いていることについては理解できます。私刑の執行というよりは、自分のこどもの安全を守る為に知りたいと思う人も多くいますので。ただ、加害者は未だ小学生なので、保護者と担任さえしっかりしていれば被害を食い止めることも出来るでしょうから、未成年の児童ということも加味すると加害児童の実名ではなく、担任と加害児童の保護者に止めておくべきかとは思います。(ただ、保護者名が判明すれば、こどもの名前が分かったのも同様ですが)

ただ、大麻については、本人達は逮捕され、この先学校は退学になり、辛い時間が続くことになります。現時点までで恐らく他人には迷惑をかけていないでしょうから、既に十分な制裁を受けていると思いますので、これ以上の詮索はやめてあげたいところです。

大麻がダメなのは法律で禁止されているから

大麻は「幻覚・妄想」を引き起こす危険薬物のひとつとして日本では法律で所持や売買が厳格に禁止されています。

でも、常に法律が正しいとは限りません。飲酒が禁止されていた国・時代もありました。

本当に危険なのか、健康に悪いのかと言えば、必ずしもそうとは言い切れません。アメリカではワシントン州(アメリカの首都があります)とコロラド州で合法化されていますし、オランダでも合法です。スペインも販売は規制対象ですが、個人で栽培して楽しむ分には合法。ジャマイカでも少量の所持は2014年に解禁されました。(ジャマイカと言えばマリファナのイメージがあるので、今まで規制されていたことの方が驚きです)

国や地域によって、合法だったり、違法だったりマチマチです。違法とされているところでも、合法化を訴える政党があったりしますので、今後も動きがあるでしょう。

大麻は本当に健康に有害なの?

大麻の有害性は賛否両論があります。

イギリスの医学誌「THE LANCET」で発表された論文では、

  • 社会的な有害性も考慮した場合、暴力や事故につながるためあらゆる乱用薬物の中でアルコールが最も有害であり、大麻はまだタバコよりも有害性が低い(2010年論文)
  • 大麻は、タバコやアルコールのような、より依存性や身体への有害性が強い薬物には属していない(2007年論文)

とされました。そして、この論文が大麻を合法化する動きにおける根拠にされています。

一部の国において大麻は薬として使用され始めています。アメリカ合衆国の一部の州、カナダ、イスラエル、ベルギー、オーストリア、オランダ、イギリス、スペイン、フィンランドなどです。薬理作用は確かなようなので、この動きはこの先も続き、広がっていくでしょう。

残念ながら「薬理作用がある=健康に害なし」ともなりません。癌などの痛みを抑えるためにも使用されるモルヒネは麻薬の一種であって、規制もされていますし、非常に強い毒性も持ちます。

ただ、大麻がアルコールやタバコよりも健康に有害だという明確な根拠もありません。(とは言うものの、タバコの葉のように火をつけて吸う場合、タバコのように大量に吸えばPOCDや肺がんなどのリスクは上がるはずです)

大麻に含まれるテトラヒドロカンナビノール (THC)は本当に危険なの?

大麻にはテトラヒドロカンナビノール (THC)という物質が含まれます。この物質が大麻の薬理作用の元であり、これがあるから嗜好品や医薬品として用いられます。

テトラヒドロカンナビノール (THC)には、多幸感・酩酊感・倦忘感などの作用があります。その点でアルコールと似ていますが、

  • 中毒性が無く、依存性があってもカフェイン程度
  • 幻覚を見ることは稀
  • アルコールのように酒乱騒ぎを起こすことがなく、平和に酔いつぶれたような状態になる
  • 周囲の人々に対する近親感が高まる
  • 食欲増進(※これについては反対意見もあります)

と言われています。これが本当だとすれば、アルコールによる酔いのいいところだけを取ったような感じです。

大麻は「幻覚・妄想」の恐れがあるとして禁止されていますが、合法化されている国・地域ではその恐れはないとされています。

考えてみると、

  • アルコール
  • 危険ドラッグ
  • 覚せい剤

による事件・事故のニュースは聞きますが、大麻を吸った事による「幻覚・妄想」が原因の事件・事故は聞いたことがありません。今や高校生が吸う時代ですので、大麻はかなりのところまで広がっています。それにも関わらず、大麻による事件・事故は聞いたことがありません。

刷り込まれている印象では「大麻>危険ドラッグ」ですが、どうもそれが怪しいです。

一部に「大麻」の「麻」は「麻薬」の「麻」だと思って、大麻は麻薬だと思っている方もいるでしょう。非常に紛らわしいです。

麻薬の「麻」は麻酔に由来します。

麻酔の語源は、

  • 麻:痺れるという意味で、麻婆豆腐の「麻」は花椒による痺れるような辛さを表しています
  • 酔:薬によって意識を失った状態

偶然にも「麻」という同じ漢字を使っていますが、麻薬とはケシから生成されるアヘン・モルヒネ・ヘロインに含まれるオピエートやオピオイドを指しますので、大麻とは全くの別物です。大麻は大麻取締法で厳しく規制されていますが、麻薬の一種ではありません。

大麻はゲートウェイドラッグになるのでしょうか?

日本で大麻取締法によって大麻を取り締まる理由は、反社会的勢力の資金源になる恐れがあることと大麻の使用が更に強い薬物の使用に繋がってしまうことが危惧されるからです。

これは大麻を使用が更に強い薬物への入り口となるという「踏み石理論(ゲートウェイ・ドラッグ理論)」が論拠になっています。この理論は、1950年代にアメリカにおいて麻薬取締り機関が広めた理論なのですが、現在ではアメリカでもヨーロッパでもこの理論の見直しが行われています。

確かに大麻の次に更に強い薬物に手を出す人が出ると思います。ですが、大麻をスキップしても手を出す人もいるでしょうし、アルコール中毒から手を出したり、うつ病の苦しみから逃れたくて病院で処方された向精神薬の次に手を出す人もいるでしょう。これをゲートウェイ(踏み石)だとして、アルコールや向精神薬を禁止することができないように、大麻をゲートウェイだとして禁止することも少し無理があると思います。

大麻についてもう少し真剣に研究する必要があります

大麻は大麻取締法で所持・販売などが禁止されています。ですから、法律が変わらない以上は大麻の所持・販売をしてはいけません。

しかし、大麻取締法では「大麻の使用」については規制をしていません。これは大麻農家(麻繊維を作る)や自生する大麻を焼き払う作業者を守るための処置だと言われていますが、同時に大麻の使用が深刻な健康被害や社会的な危険を持っていないことが原因のように思います。もし大麻の使用が「幻覚・妄想」をもたらし、殺人などの凶悪犯罪に結びつく恐れがあるのであれば、大麻取締法を改正し、細かい規制項目を盛り込むはずです。

国が危惧するのは、

  • 反社会的勢力の資金源となる可能性
  • 覚せい剤など更に強く危険な薬物へのゲートウェイ(踏み石)になる可能性

だと思いますが、しっかりと研究して、健康被害や社会的な危険がないことが判明したら、昔タバコを専売公社で販売していたように、大麻を専売公社「日本大麻(JC)」で販売して、反社会的勢力が入り込む余地がないように管理すればいいと思います。価格はタバコよりもかなり高くなるでしょうから、チェーンスモーカーにはなれずタバコほどCOPDや肺がんになる可能性は低いでしょうし、そこからの税収も期待できます。

また、大麻の使用が更に危険で強い薬物へのゲートウェイ(踏み石)になるという心配ですが、大麻の中毒性や依存性が低いことが判明すれば、大麻使用者はそこで満足して次のステップに進む心配は要らない可能性があります。その場合、ゲートウェイ(踏み石)になるどころか、危険ドラッグや覚せい剤などの薬物に手を出す人を減らせる可能性もあります。

  • 税収が増える
  • 危険ドラッグや覚せい剤などの規制にかかる予算をカットできる
  • 反社会的勢力の資金源が減る

などのメリットが生まれる可能性もあります。

どうせ解禁するのであれば、一日も早く解禁して欲しいと思います。そうでなければ、今回の高校生のようなケースがこれからも生まれてしまいます。後に合法化される行為で逮捕されて、前科が付くのは可哀想です。

万が一、日本でも大麻が解禁されるとしても

ただ、大麻の有害性・危険性がアルコールやタバコよりも低いことが証明されて、日本でも解禁されたとしても、未成年者にはアルコール・タバコ同様に許可されるはずがありません。法律で禁止されているのはもちろん、未成年者の使用は脳を始めとした身体や精神に与える影響が大人よりも大きくなりますから絶対に止めてください。若いうちにしかできないことを思い切りしておきましょう。

どうしても大麻への興味が消せない場合は、成人するまで待って、オランダやアメリカに行って体験してください。

そうこうしているうちに日本でも解禁されるかも知れません。そんな中途半端なものの為に人生を棒に振ってはいけません。高校生が大麻で逮捕されればその後は厳しい現実が待っています。将来必ず後悔するはずです。後悔する中、日本での大麻解禁のニュースを見るのは耐えられないと思います。

甘い誘惑に囲まれて苦労するかも知れませんが、頑張って踏みとどまってください。

年頃のお子さんを持つ方は、是非家庭でオープンに大麻や薬物の話をしてみましょう。若い頃、何でも否定する大人達に対して感じた苛立ちを思い出して、こどもの側で話してあげてください。きっと分かってくれると思います。

 - 健康, 化学物質, 大学等, 学校等, 小中高, 生活, 育児

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