ピロリ菌と胃がんの恐ろしい関係

2015/05/10 2019/06/13

胃がんのほとんどはピロリ菌が原因です

ピロリ菌って何？

正式名称「ヘリコバクター・ピロリ」というひとなどの胃に住む細菌で、胃潰瘍・胃がんの原因になることで知られています。

胃がんの原因と言われるけど、どの程度？

ほとんどの胃がんの原因はピロリ菌だと考えられています。何世代かに渡って胃がんになると「胃がんの家系」と言われたりもしますが、これはピロリ菌が次世代に経口感染してためで、ほとんどは遺伝ではありません。

感染経路は？

井戸水や川の水を介して感染するとも言われていますので、それらの水を生で飲用に使うことがないようにしなければなりませんが、乳幼児期の縦と横の感染

が多いと考えられていますので、井戸水や川の水を生で飲んだりしていなくても、ある年齢で一度検査しておくと安心です。

大人になってからの経口感染はないそうですので、余り不安になる必要はありません。でも、別の病気もありますので、過信は禁物です。

初めて感染した時には急性胃炎や下痢を起こします。ほとんどの場合、そのまま菌は排除されずに胃内に定着して、生涯にわたって持続感染を起こします。持続感染したひとでは、萎縮性胃炎・胃潰瘍・十二指腸潰瘍を起こす危険性が上がり、そしてそれが胃がんになる恐れがあります。

保菌者の約3割に疾患があらわれ、残りの約7割は疾患があらわれない健康保菌者（無症候キャリア）になるそうですので、自覚がないまま縦の感染を起こさないように、一度は検査をしたほうがいいかも知れません。

いわゆる「胃カメラ」。オエッてなるのが嫌、または怖い方には鼻からカメラを入れる検査方法もあります。これは検査中にモニターを見ながら先生と話が出来るほど、ほとんど負担がありません。僕もこれを選びました。

などの胃カメラを使わない方法もありますので、胃炎や胃潰瘍に苦しんでいる、身内に胃がんになったひとがいる、井戸水を生で飲んでいたことがあるなどの方は検査をされるといいと思います。そこで陰性なら、その後は安心して過ごせます。

ただ、残念なことにピロリ菌の検査と除菌治療は、慢性胃炎、胃・十二指腸潰瘍、胃マルトリンパ腫、特発性血小板減少性紫斑病、早期胃がん内視鏡治療後の患者さん以外には保険診療が認められていないため、疾患がない方は少々費用が多めに掛かります。先ずは掛かり付けの消化器内科医に相談してみましょう。