冬なのにアブかハチのような虫が部屋に入って来ました
2019/06/12
去年から冬の間にアブかハチのような虫が部屋に入って来ます。
都度捕まえて、外に逃しているのですが、部屋にはみかんの箱があるので、奄美大島などで問題になった「ミカンコバエ」だったらどうしようと思って、一応ミカンコバエは調べました。
ミカンコバエではありませんでした。
ホッとしました。
でも、ハチかアブだったら、刺されるかも知れず、そんな虫が頻繁に部屋に侵入するのは結構怖いです。
その虫はこんな見た目。
腹の黄色い縞が怖いです。いかにも刺しそう。
去年撮った写真も残っていました。腰の周りが黄色というか金色なのが特徴的です。
画像荒くてスミマセン。別角度。ハチにも見えますが、アブっぽいです。
こちらは裏側。ちょこまか動くので、更に荒い画像でスミマセン。
色々調べて、漸く正体が判明しました。
その正体は
キゴシハナアブ
やっぱり「アブ」でした。。。
普通こんな寒い時期に刺す虫(アブ・ハチ類)は飛んでいないはずなんですが、やっぱり地球温暖化のせいなのでしょうか?
更に調べると、このキゴシハナアブの意外な生態が明らかになりました。
キゴシハナアブは「アブ」とあってもどちらかと言えば「ハエ」
キゴシハナアブは名前に「アブ」が付いていますが、刺したり、血を吸ったりする「アブ」ではなく、「ハエ」の仲間だそうです。
部屋に入ってくるキゴシハナアブは花粉を食べ、丸腰の平和主義者。(人を刺す能力無し)
最初はみかん箱から出てきたと思いましたが、多分洗濯物で羽休めをしているうちに、洗濯物と一緒に取り込まれてしまい、部屋に侵入してしまっているようです。
アブもハナバエも
界 : 動物界 Animalia
門 : 節足動物門 Arthropoda
綱 : 昆虫綱 Insecta
目 : ハエ目(双翅目) Diptera
亜目 : ハエ亜目(短角亜目) Brachycera
亜目までは同じカテゴリーに入っている昆虫なので、見分けが付きにくいのは当然なのかも知れません。
ハナアブの仲間は「アブ」と付けられてしまったために、ハエの仲間ではなく、アブの仲間であると思われてしまうため、一時期「アブバエ科」と呼ぼうとしたみたいですが、失敗に終わったようです。
そもそも、「アブ」の分類が曖昧だったみたいで、
ハチっぽい見た目だけどハチではないハエ目の昆虫
を「アブ」と呼んだために、一部で「ハエ」と「アブ」が交錯してしまっています。ざっくりし過ぎ。
- ハナアブ科の昆虫⇒ハエの仲間
- オドリバエ科・アシナガバエ科⇒アブの仲間
なので、キゴシハナアブがアブかハチのような虫に見えても全くおかしくありません。
キゴシハナアブの見た目はミツバチなどのハナバチ類の擬態のようです
キゴシハナアブの腹周りはミツバチによく似ています。
これがキゴシハナアブ。
下はミツバチ。似てます。
ちょっと体毛が薄いのと、後ろ足の花粉団子がないところが違いますが、パット見はかなり似ています。
同じように花に集まるミツバチに擬態するとは自然の知恵に驚かされます。
見た目は似ていますが、キゴシハナアブは人を刺すことはありませんし、「ハエ」の仲間と言っても、食べ物にとまって病原菌を媒介するような他のハエと同じことをしません。見た目がハチのようで、ハチアレルギーがある人には恐怖感を与えるかも知れませんが、それ以外の害はない虫です。花、果物、野菜などの受粉を助ける送粉者(pollinator)としても役割を果たしている虫ですので、部屋に侵入してしまった場合は、できれば駆除せずに部屋の外に逃してあげてください。
こどもにとっては見極めが難しいかも知れません
ミツバチとミツバチの擬態をしたキゴシハナアブを見分けることは、大人にはできても、こどもには難しいかも知れません。
キゴシハナアブとミツバチと勘違いするのは問題ありませんが、もしミツバチをキゴシハナアブと勘違いして掴んでしまうと刺されてしまう危険性があります。
これらを確実に見分けられる年齢になるまでは、今まで通り黄色と黒は「警告色」だと教えておいた方が安全かも知れません。
スズメバチ
ファイヤサラマンダー
キオビヤドクガエル
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