毒のあるアジサイを食べるシカとイノシシ
過去記事「アジサイ(紫陽花)の葉には毒があります」に書いたことがありますが、アジサイ(紫陽花)の葉にはアルカロイドの一種「フェブリフギン(febrifugine)」が含まれ、それが毒として作用すると考えられています。ひとが誤ってアジサイの葉を食べると中毒を起こしますし、動物が食べても同じだと言われています。
シカやイノシシによる食害が問題化
昨今、鎌倉などのアジサイで有名な場所で、シカやイノシシによるアジサイの食害が深刻化しています。実は僕の実家近くにもアジサイで有名なお寺がありますが、アジサイ園の周りは電気柵で厳重に管理されており、シカやイノシシの害を免れています。
7月19日に静岡県西伊豆町で起きた電気柵による感電死傷事故もアジサイをシカなどの食害を防ぐために設置されたものでした。
シカやイノシシが解毒する能力を身につけたのか?
アジサイに毒があることを知っていたので、実家近くのアジサイ園も直接的な食害よりもエサを探して掘り起こされることによる二次的な食害だろうと思っていましたが、実際にアジサイの食害が全国的に深刻になっていると聞き、驚いています。
アジサイの何が中毒を起こすのかについては、現在アルカロイドの一種「フェブリフギン(febrifugine)」だと考えられていますが、もしかするとそうではない別の何かなのかも知れません。ひとには毒で、シカやイノシシには毒ではない何か。何でしょう?見当もつきません。
アジサイに隠された秘密
アジサイ(紫陽花)の「フェブリフギン(febrifugine)」は、新しい抗マラリア薬開発の足掛かりになることを期待されていて、更には膠原病などの自己免疫疾患にも効く可能性もあるかも知れないと言われています。その研究の過程で、ひとに食中毒が起きて、シカやイノシシに毒が作用しない理由も明らかになると思いますので、そちらも期待しています。
アジサイ園の電気柵に注意しましょう
田畑の電気柵は夏休みに帰省した時に都会の子供が知らずに触ってしまうことを防ぐ必要がありますが、それ以外だと田畑で作業するいわばプロ以外は近づかないものですので、それほど神経質になる必要はありません。近くで住んでいるこども達は十分に危険性を認識していると思われますし。
ただ、アジサイ園の電気柵には注意が必要です。杖をついた高齢者やちいさいこどもが入場することも多いと思いますので、危険を表示する看板はもちろん、容易に触れてしまうことがないような安全管理上の配慮が求められます。今年は既にアジサイのシーズンが終わりましたが、来シーズンに向けて電気柵の見直しが進むことを願っています。
また、アジサイを見に行かれる方も、雨が降って濡れていたりする時期でもありますので、万が一の感電を防ぐためにも、電気柵に注意するようにしなければなりません。高齢者やちいさいこどもが見に行かれる場合は、周囲の方が十分に注意をしてあげて安全に花を楽しめるようにしてあげましょう。
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