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声優の松来未祐さんの命を奪ったCAEBVにご注意ください

   

2015年10月27日に38歳の若さで亡くなった声優の松来未祐さんは、余り馴染みのないCAEBV(慢性活動性EBウイルス感染症)という病気でした。病名を公表した理由は、未祐さんが

  • 退院して手記を書いて、同じ病気で苦しむ人の助けになりたい
  • 病名を言って欲しい

と生前に言われていたためだそうです。

CAEBVを起こすEBウイルスは9割以上の人に潜伏

恐ろしい話ですが、CAEBV(慢性活動性EBウイルス感染症)を引き起こすEBウイルスには9割以上の人が感染しています。

  • 2~3歳までに7割が感染
  • 20代には9割以上の人が感染

日本は幼児期の食べ物の口移しや同じ箸を使うことで一気に感染し、その後はキスなどで9割以上が感染するに至ります。

欧米では口移しをせずに、カトラリーを共用しないため、幼児期の感染が2割程度で、多くの人は思春期・青年期のキスによって感染するため「キス病」とも呼ばれています。日本でも生活スタイルの欧米化によって幼児期の感染率は減って来ている可能性がありますが、思春期・青年期に「遅れを取り戻す」ために、9割以上という感染率に変わりはないでしょう。

このウイルスに一度感染すると、潜伏感染状態となってしまい、一生体の中に潜むことになってしまいます。

伝染性単核球症を引き起こすのもEBウイルスです

スポーツ選手が発症して試合を欠場するというニュースを時々耳にする伝染性単核球症もEBウイルスが引き起こす病気です。

幼児期にEBウイルスに感染した場合は症状がでないことも少なくなく、また症状が出ても扁桃炎と診断されて、EBウイルスによる伝染性単核球症であると診断されることは殆ど無いようです。

年長児から青年期以降に感染した場合は、発熱が他のウイルス感染よりも長く続くなど症状が重く出ます。血液検査で異型リンパ球が確認されてると、伝染性単核球症と診断されます。伝染性単核球症という名前は、

異型のリンパ球(単核球)が発現する伝染性の病気

という意味だそうです。

潜伏するはずのEBウイルスが暴走を始めるのがCAEBV(慢性活動性EBウイルス感染症)です

症状の軽い(または無い)重いはありますが、EBウイルスに感染によって伝染性単核球症を発症しても、免疫によってウイルスの活動は制御され、殆どの場合は何もせずに静かに潜伏するだけです。

非常に希なケースとして、EBウイルスに初めて感染した人や過去に感染した人の中で、

  1. ウイルスを免疫が制御できずに活性化を許してしまう
  2. リンパ球へ持続的にEBウイルスが感染を起こす
  3. EBウイルスへの免疫制御が機能不全を起こす
  4. 慢性的にEBウイルスが増殖することで重症化する

という流れで、CAEBV(慢性活動性EBウイルス感染症)を発症します。

CAEBV(慢性活動性EBウイルス感染症)は、現在有効な治療方法が確立されていないため、最終的に

  • 多臓器不全
  • 悪性リンパ腫

などを発症し、高い致死率を示す難病です。

発症のメカニズムも治療方法も不明です

EBウイルスに感染した人の中で、CAEBV(慢性活動性EBウイルス感染症)を発症する人と発症しない人がいる理由は分かっていないそうです。

また治療法もなく、対処療法のみになってしまっています。

この病気の特徴は

  • 日本を含めたアジア地域での症例が多い
  • 小児期のEBウイルス感染がそのままCAEBV(慢性活動性EBウイルス感染症)の発症につながることが多い
  • 成人期での発症が徐々に増えてきている

ことから、日本で小児が発症した場合は、早い段階でCAEBV(慢性活動性EBウイルス感染症)と診断され、対処療法が開始されますが、成人期に発症すると「長引く風邪」と診断されてしまい、対処療法が遅れることが少なからずあるそうです。松来未祐さんも診断が付いたのは発症してから1年が過ぎた後で、亡くなる2ヶ月ほど前だったそうです。

発症メカニズムの解明や治療法の確立は今後の研究を待たなければなりません。発症したら少しでも早く対処療法を開始することが一番の方法です。(現時点では同種造血幹細胞移植(骨髄移植)が唯一有効な治療法であると言われていますが、成功率は50~70%と高くありません。)

手がかりは、蚊アレルギー

発症のメカニズムは分かっていませんが、蚊アレルギーと発症との関連性が指摘されています。

蚊に刺された痕が

  • 皮膚が強くただれる
  • 潰瘍ができたりする

人は蚊アレルギー(厳密にはアレルギーではありません)だと言われますが、これができる人はNKリンパ球がEBウイルスに感染していると言われ、将来高い確率でCAEBV(慢性活動性EBウイルス感染症)を発症する恐れがあると言われています。また、それ以外にもEBウイルス関連性悪性リンパ腫を発症する確率も高いと言われています。

蚊アレルギーがある人は、

  • 3週以上にわたる38.3℃を超える原因不明の高熱
  • 血球減少による貧血・出血症状
  • 肝脾腫

と言った典型的な症状が見られなくても、

  • 微熱が続く
  • 倦怠感が抜けない

など、内科で「長引く風邪」と診断されるような症状があったら、念の為にセカンドオピニオンを求めた方が安全です。

一日も早く治療法が確立されて、この病気が難病ではなくなることを祈っています。

 - 健康, 生活, 病原菌, 育児

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