ゲロを洗面器で受けるのは危険です
2019/06/12
※タイトル通り、ゲロに関する話なので、食事中には読まないでください。
依然、ノロウイルスが流行っています。
ノロウイルスに感染した場合、酷い下痢を起こしてトイレから出られなくなるだけではなく、ひどい嘔吐にも悩まされます。
そのため、いつ吐き気をもよおしてもいいように、枕元にはティッシュを敷いた洗面器を用意している家庭も多いと思いますが、ゲロ(嘔吐物・吐物)を洗面器で受けることって実はかなり危険なんです。
ゲロの飛沫には膨大な量のウイルスが含まれています。
食べ過ぎや飲み過ぎで吐いてしまう場合は問題ありませんが、ノロウイルス感染時のゲロには膨大な量のノロウイルスが含まれています。
過去記事「菌1個で食中毒は発症するのでしょうか?」でご紹介しましたが、
ノロウイルス感染に必要なウイルス数:10~100個程度
と脅威の感染力を持った危険なウイルスです。
それを大量に含んだゲロを洗面器で受けてしまうと、膨大な量のノロウイルスを撒き散らすことになってしまい、二次感染のリスクを飛躍的に高めてしまいます。
目に見える飛沫が飛んでいなくても、勢い良く吐いた場合は、目に見えない飛沫が大量に飛んでいます。
咳やくしゃみをした時に、飛沫が飛んでいるのが見えないですが、猛烈に飛んでいます。それと似ています。
ノロウイルスに感染している人の吐物を受ける容器には「飛散防止」をすることが大きなポイントです。
牛乳パックが紹介されていますが問題点もあります
感染者の吐物を受けるのに牛乳パックを流用するのが便利だとする記事がありました。
聖路加国際病院内科名誉医長で、「西崎クリニック」院長の西崎統氏が言う。
「吐き気を感じた患者さんがトイレに間に合わずカーペットなどに吐いてしまうと、カーペットを掃除してもウイルスが残りやすい。床だと、嘔吐物がはねて、思わぬところに付着している恐れがあります。そういうリスクを防ぐために、症状がひどいときはベッドサイドに空の牛乳パックを用意しておくといい。牛乳パックは耐水性に優れ、繰り返し使える上、汚物をトイレに流すのも楽なのです」
■2次感染にも要注意
牛乳パックは、看病する人にとってもメリットがある。洗面器などに吐くと見た目のキツさから、看病する人も吐き気を催しやすいが、牛乳パックは中が見えないため、そのリスクが低くなる。牛乳パックの口を閉じてトイレまで持っていけば、嘔吐物の臭いに困ることもないだろう。
出典:日刊ゲンダイ http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/197818/2
日刊ゲンダイの記事では、
- 牛乳パックは耐水性に優れ、繰り返し使える
- 汚物をトイレに流すのも楽
- 中身が見えないから、もらいゲロのリスクが減る
- 臭いも広がらない
と牛乳パックを使用するメリットを挙げていますが、ウイルスを含んだ吐物を受け止めた牛乳パックを洗って再度使用するのは非常に危険です。
牛乳パックは耐水性に優れていますが、次亜塩素酸で繰り返し消毒することには耐えられません。
また、トイレに流す際に飛沫を吸い込んでしまうリスクも発生します。
そこで、より安全にゲロを受ける方法をご紹介します。
安全にゲロを処理するための方法
牛乳パックを使用した場合、飛び散りを減らせるという点に加えて、介抱する人に見えない、そして臭わないというのも大きなメリットです。これを活かしながら、更に安全に処理するためには、ビニール袋を使用します。
- ビニール袋の中にティッシュを数枚入れます
- それを牛乳パックにかぶせます
- 完成!
使用する時は、牛乳パックを口に当てて吐きます。
こうすれば洗面器のように飛び散る心配は無くなります。
吐いた後は、ビニール袋にティッシュや新聞紙を入れて、吐物を吸い込ませて、生ゴミに捨てるのをお勧めします。
吐物をトイレに流そうとすると、
- 飛沫を吸い込んだり、便器や手にウイルスが付着する
- 流れたノロウイルスが川や海、海産物や飲料水を汚染する
などのリスクがあるため、極力トイレには流さず、ティッシュや新聞紙に吸わせて、燃えるゴミとして処理するようにしてください。
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病院などではガーグルベースンにビニール袋をかぶせて使っていたりします。
医療や介護の現場ではガーグルベースンにビニール袋をかぶせて、中に飛び散り防止用としてティッシュなどを敷いて利用していたりしますが、家庭ではガーグルベースンよりも牛乳パックの方が使用し易いですし、二次感染・もらいゲロなどのリスクも少ないため、牛乳パックとビニール袋の使用をお勧めします。
感染しないことが一番ですが、万が一感染してしまった場合は是非参考にしてみてください。
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