高額の現金持ち込みは申告しないと没収の恐れ

昔々、仕事上のパートナー（外国のひと）とアメリカに出張したことがあります。既に海外は何度か旅行も出張もしていたので、それ程の緊張はしていませんでしたが、初アメリカだったのでちょっと緊張していました。飛行機は無事にロサンゼルス国際空港に到着し、さぁ税関を通過しようという時に恐怖のどん底に陥れられました。

アメリカ入国時の現金持ち込みには規制があります

オーストラリアへの入国の際、食品や生き物やその加工品の持ち込みが厳しく規制されているのは知っていましたが、その他の国で規制されているのは麻薬位のもんだと思っていました。でも、機内で配られた申告書に「10,000ドルを超える現金」と書かれていて、不思議に思いましたが、僕は昔から現金は持ち歩かない派なので10,000ドルなんて持っているはずもなく、持っていないとして申告書を書きました。

僕が先に税関を通り、友人が来るのを待っていると何やらもめてます。変な漢方薬でも持ち込もうとして疑われたかなと気楽に構えていると、大柄の係員が近寄ってきて、取調室に連行されてしまいました。彼もですが、僕もです。

後で知ったことですが、友人が25,000ドルの現金を持っていたんです。でも、申告書に10,000ドルの現金は持っていないって書いてしまっていたことがバレて、連行です。

虚偽の申告には結構シリアスな取り調べが待っています

現金の持ち込みを申告したとしても、税金が掛かったりする訳ではないので、それを敢えて申告しないということは犯罪に関わる資金だろうと疑われるようです。まさに、そんな疑いを掛けられての尋問です。ただ、友人が僕が無関係だと説明して、それが僕の供述とも矛盾がないため、先に釈放されました。でも、友人の尋問は続いています。彼が釈放されるまでには、まだかなりの時間がかかるのでした。

虚偽の申告の代償は全額没収でした

取調室から出てきた友人は未だ取調官と口論していました。「申告しても税金を取ったりする訳でもないものを誤った申告をしただけで全額没収はおかしい」という主張なんですが、それは無理がありますね。申告書には誤りがないって宣誓の署名してしまってますから。

正しく申告していれば税関はスルー、虚偽の申告は最悪全額没収。どうも彼は知っていて申告をしなかった確信犯。申告する際に金額を書くのが面倒だったみたいです。「25,000」と「✔」は確かに５文字分手間は増えますが、1文字が5,000ドルって。高くつきました。

現金持ち込みに関する規制は他の国でもあります

オーストラリアも10,000ドルという規制があります。日本円に換算すると金額がかなり違いますが、キリのいい数字なんでしょうかね。国によって違いますので、海外へ行かれる時には事前の確認が必要ですよ。

外国はめんどくさいなぁって思っていると、実は日本にもありました。しかも、輸出入と書かれているので、出国する際にも、帰国する際にも申告しないといけないみたいです。

携帯して、100 万円相当額を超える現金（通貨の種類を問いません。）、小切手（旅行小切手を含みます。）、約束手形、有価証券又は１キログラムを超える金の地金を輸出又は輸入しようとする場合には、関税法（昭和 29 年法律第 61 号）第 67 条の規定に基づき、この様式による申告書を作成の上、輸出（国外への持出し）又は輸入（国内への持込み）の当日ないし前日に、出入国する空港又は港を管轄する税関に申告の必要があります（申告をしないで又は虚偽の申告をして輸出又は輸入をした（しようとした場合には関税法違反として罰則が科されることがあります。）。

税関「支払手段等の携帯輸出・輸入申告書」より抜粋

出国や入国の時に書く色々な書類はやっつけ仕事になってますが、正確に書かないと痛い目に遭う場合があります。旅行や出張が出鼻をくじかれないように、注意してくださいね。