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絶滅危惧種 ベンガルトラの剥製をヤフオク出品で逮捕

   

先日、ちょっと変わったニュースがありました。

ベンガルトラの剥製をヤフオク出品の罪で逮捕

ベンガルトラ⇒絶滅危惧種⇒ワシントン条約⇒売買禁止⇒逮捕

何となくこんなことなのだろうと多くの人が思ったと思います。僕もです。

「絶滅危惧のある希少な動物の剥製を売ろうとするなんてけしからん!そんな人間は逮捕されて当たり前。」

って思われた方も少なくないかも知れません。

でも、実際にはそんなに単純なことではありませんでした。

以下はトラの剥製がオークションに出品されている模様です。

闇オークションなのでしょうか?

いいえ、ヤフオクです。

トラ剥製(ヤフオク)

今回、報道された内容は、だいたい以下のような論調でした。

種の保存法違反の疑いで書類送検された、京都府在住の自営業の男(65)と、同じく京都府在住でその社員の男(67)は、絶滅のおそれがあるとして販売が禁止されているベンガルトラの剥製やヒョウの毛皮のコートをネットオークションに出品した疑いが持たれている。

(中略)

 自営業の男は調べに対し、「トラは40年前に知人から150万で譲り受けた。売ればいくらかのお金になると思った」などと話しているという。

出典:日テレNEWS24 「絶滅危惧…ベンガルトラ剥製をネットに出品 2016年6月28日 12:39」

種の保存法違反で逮捕と書かれています。

確かに「種の保存法(絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律)」違反なのは間違いありませんが、大事なところが報道されていません。

種の保存法(絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律)では、ベンガルトラの剥製の販売を全て禁止している訳ではありません。

ベンガルトラの剥製は、ワシントン条約によって、現在は輸入できません。

税関 ワシントン条約

現在、ヤフオクに出品されているようなトラの剥製は、全てワシントン条約で輸入が規制される前に輸入されたか、成体として日本に輸入された後に死んで剥製にされたもの、または密輸されたもの(あくまで可能性の話です)ということになります。

それをそのまま販売しようとすると、今回起きた事件のように逮捕されてしまいます。

ワシントン条約で規制される前に日本に輸入されたトラの剥製であっても、現在は国内法の「種の保存法(絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律)」で取り引きが規制されていますので、取り引きする場合は法律に基いた手続きを踏まなければなりません。

ただ、これを逆に言えば、必要な手続きを踏めばトラの剥製を国内で販売することが「可能」であるということなんです。

だから、ヤフオクでも出品されている訳ですね。

では、どんな手続きが必要かと言えば、事前に「一般財団法人自然環境研究センター 国際希少種管理事業部」というところで、国際希少種の登録・製品認定を受けることになります。

具体的に言いますと、国内において規制適用日前に取得された個体等の申請を行い、国際希少種として登録・製品認定を受けます。

国内において規制適用日前に取得された個体等の申請方法

申請を行い、無事に登録・製品認定がなされると、晴れて国内で合法的に売買ができるようになります。

そんな理由から、ヤフオクに出品されているトラの剥製は、「希少種登録票付」などと書き添えられている訳です。

ヤフオクに出品されるトラの剥製

もうお分かりだと思いますが、今回逮捕された人は、40年前(※真偽は不明)に知人から譲り受けたとすればワシントン条約批准前なので特に問題がある品ではない訳ですが、「種の保存法(絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律)」で定められている手続きを踏まずに販売を試みた為に逮捕されることになった訳です。

報道の仕方が雑なので、少なくない人に「トラの剥製を出品したこと自体が犯罪」というイメージを与えてしまっているようですが、実際には

必要な手続きを怠った罪

ということです。

「そんなことで逮捕するの?」って思われた方もいるかも知れませんが、トラの剥製を売る場合だけではなく、公の手続きを軽んじてはなりません。

例えば、引っ越し(新しい住所への移入)をしてから14日以内に住民票の異動手続きを行わない場合は、住民基本台帳法違反となり、最高で5万円の過料を課せられる恐れがあります。(逮捕はありません)

国際希少種の動物の剥製が売買可能なことに対する違和感はありますが、全て禁止することで、江戸時代に将軍に献上されたトラの剥製(※例えです)の売買すらも売買禁止になってしまったとしたら同様に違和感を感じますので、仕方がないことなのかも知れません。

蔵や倉庫から出て来た剥製を処分する際にはご注意ください

古いトラの剥製は今回の件で注意が払われると思いますが、他にも注意が必要な動物の剥製や加工品があります。

廃棄処分することに対しては規制はないと思いますが、不要品を一式で買い取ってもらうような場合は「売買」と取られる可能性がありますので、処分する前に一般財団法人 自然環境研究センターへ電話で問い合わせをする方が安全です。

以下の剥製は、倉庫や蔵でホコリを被っている可能性がありますので、ご注意ください。(※詳細は一般財団法人 自然環境研究センターへ問い合わせください)

  • ウミガメ
  • ユキヒョウ
  • ヒョウ

 - 動物, 大学等, 学校等, 安全, 小中高, 生活, 職場

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