3価クロムによる金属アレルギー発症の可能性

どの資料を読んでも、クロムで害があるのは6価クロムで、3価クロムは無害で金属アレルギーの原因にはならないと書かれています。「クロムは人間にとって必須元素だから金属アレルギーにはならない」と書かれたものもありましたが、鉄も亜鉛も必須元素なので理由になりません。

本当に3価クロムは金属アレルギーの原因にならないんでしょうか。（6価クロムはアレルギーの原因になるならない以前に発がん性があってかなりの有毒物質です）

国際がん研究機関(IARC)による評価

暴露マージン(MOE)は 5600で、グループ3の「ヒトに対する発がん性について分類できない 」に入り、カフェインやコレステロールと同じレベルとのことです。「摂り過ぎは健康に良くありません」レベルなので、いわゆる無害なんでしょう。

色々なところで「無害」って書かれているのですが、これが元なのではと思えます。ですが、カフェインやコレステロールと同じ程度に無害なのと、金属アレルギーの原因にならないことは別じゃないかと。

海外ではどうでしょう？

海外でも同じ書かれ方で、クロムアレルギーの原因は“chromium salts (chromates)”だと書かれています。

chromium salts (chromates)は、クロム酸塩のことで、すなわち6価クロムです。

3価クロムが原因となるかならないかで大違い

今は3価クロムは原因ではないとされているので安心して使用されています。それだけに万が一金属アレルギーの原因になり得るとすれば大きな影響が出ます。

野球のグローブや時計のベルトなどは3価クロムをつかったクロムなめしという加工がされています。昔は6価クロムが使われていましたが、今は安全性の高い3価クロムが使用されています。（それでもEU圏では3価クロムでなめされた皮革製品から6価クロムが検出されることが問題視されていますので継続的な注意は必要です）

3価クロムを使用しているということで安心して肌に着けていますが、もし金属アレルギーの原因になり得るのであればひとによっては別の製品を選ぶかも知れません。時計のバンドやベルトで金属アレルギーの症状が出るひとが今でもいますが、それが輸入品の6価クロムを含んだ製品だからなのか、3価クロムが原因なのかは、はっきりしていません。

野球のグローブや時計のバンドは着けた状態で汗をかきますし、野球のグローブは傷に接触する機会が多いものです。使用するひとの為にも、3価クロムについてははっきりさせて欲しいと思います。

パッチテストの対象に3価クロムが入っています

金属アレルギーの有無を調べるパッチテストに

• 二クロム酸カリウム（重クロム酸カリウム）
• 硫酸クロム

が含まれていますが、二クロム酸カリウム（重クロム酸カリウム）は有毒の6価クロムですが、硫酸クロムは3価クロムです。パッチテストの中に含まれているということは、金属アレルギーの原因となる可能性があるということではないのでしょうか。腑に落ちません。

答を求めて来て下さった方、申し訳ありません。今のところ、有害とも無害とも言い切れません。ただ、人体に影響がないと一般的に考えられているチタンでさえ金属アレルギーの原因になりますので、心配な方は3価クロムも注意した方がいいと考えます。

調査継続します。