破損転倒事故発生　樹脂製踏み台（折り畳み式）には注意しましょう

独立行政法人 製品評価技術基盤機構（NITE）によりますと、ホームセンターなどで販売されている樹脂製踏み台（折り畳み式）が破損して転倒する事故が増えています。樹脂製踏み台、中でも折り畳み式のものは、軽量で省スペースであることから、屋内外の様々なところで使用されています。

そんな便利な樹脂製踏み台ですが、破損による事故も増えています。2014年には、和歌山県で60代の男性がキャンピングカーから降りる際に踏み台を使ったところ、踏み台が破損し、足を骨折する重傷を負う事故が起きました。独立行政法人 製品評価技術基盤機構が把握している事故は、1997 年以降に13件あり、内訳は重傷4件、軽傷8件、物損1件となっています。その13件の事故のうち10 件の事故では踏み台の破損が確認されています。

踏み台には安全規格がありません（現状）

脚立には安全規格が義務付けられていますが、脚立には安全規格が義務付けられていません。ですが、実際にはちょっとした高さの作業では、樹脂製踏み台（折り畳み式）が脚立の代わりに使用されています。また、椅子の代わりに使用されているケースもあります。

脚立も椅子も安全規格が定められ、安全性が維持されていますが、安全規格の無い樹脂製踏み台（折り畳み式）が脚立や椅子の代用として使用されている実態が憂慮されており、今回独立行政法人 製品評価技術基盤機構から注意喚起が出されました。

椅子に求められる負荷を掛けると全製品サンプルが破損しました

現在、国内で12社の製品が販売されています。独立行政法人 製品評価技術基盤機構が市販されている12製品をテストしましたが、その結果はかなり不安になる結果でした。

• 日本工業規格（JIS）が椅子に求めている負荷をかけたところ、全製品が1回で破損
• 和歌山県で起きた骨折事故のように30センチ上方から踏み台の上に降りる時と同じ衝撃を加えたテストでは、10回以上の衝撃に耐えられたのは3製品のみ

そもそもが樹脂製踏み台（しかも折り畳み式）なので、飛び乗ったりや飛び降りたり、上で飛び跳ねる等の衝撃力がかかる使い方は避けなければなりません。椅子として使用する場合も、腰をおろす際には大きな衝撃がかかりますので、同様の注意が必要です。しかし、一部の製品にしか注意警告表示が記載されていないのが現状です。

今後は注意警告表示がされるようになっていくと思いますが、いつになるか分かりませんので、先ずは正しい使用方法を知ることで自衛をしなければなりません。

樹脂製品は経年劣化にも注意が必要です

樹脂製品は経年劣化のひとつである加水分解を起こすと角砂糖のようにボロボロと崩れ落ちます。

一体型の踏み台でも危険ですが、折り畳み式の踏み台の場合は結合部分が破損するだけで崩壊しますので、より経年劣化の影響を受けやすいと言えます。

新品であっても、脚立や椅子としても使用はするべきではありませんが、経年劣化で強度が不足しているものは踏み台として使用する場合でも注意が必要です。

屋外で、特に日光が当たる場所で使用しているものは強度の低下がはやく、また著しいため、使用前には必ず点検をするようにしてください。

一部製品にはリコールは出ています。

2014年に和歌山で起きた事故で使用された樹脂製踏み台（折り畳み式）にはリコールが出ています。

コーナン商事株式会社が輸入した樹脂製踏み台（A201400388）

ご自宅で使用されている樹脂製踏み台（折り畳み式）がリコールの対象の製品かどうか、一度ご確認ください。