東京都日野市の小4変死 事故死と結論か
2019/06/13
2015年10月26日午後8時頃、東京都日野市の雑木林で、近くに住む小学4年生の男児が首を吊った状態で死亡しているのが発見されました。発見当時から、不審人物の目撃情報や男児の体に首を吊った跡以外の傷をなかったことから事故の可能性も挙げられていましたが、最終的に事故死との結論が出される可能性が濃厚になってきました。
既に男児の両親には説明がされたとのことですが、ご両親の気持ちを考えると本当に辛い話です。
事故死と結論が出されるに至った理由
男児が発見された時、軟らかい土で覆われた急斜面の上に生えた木の根元にビニールの荷造り紐を巻き付けて、その紐で首をつった状態だったそうです。軟らかい土で覆われた急斜面の下で、あおむけで寝そべったような姿勢で倒れていて、両手と両足は首を吊ったのと同じビニール荷造り紐で緩く縛ってありました。発見された時、男児は衣類を身に着けておらず、衣服は遺体の近くに置かれた状態で、無理やり脱がされたような形跡もなかったそうです。
付近に男児以外の足跡がないことやビニール紐に第三者のDNA型や指紋など、第三者の介入を疑わせる痕跡がなく、男児が自殺する動機が確認されなかったことから事故死であると結論付けざるを得ないと言った状況のようです。
現実世界はサスペンスドラマのような推理や追及は無いようです
これがドラマや映画であれば、疑うべき状況は複数あります。
- 午前11時に家を出てから、発見された20時頃までの9時間の足取り
- なぜ全裸で首にロープを巻き付けて急斜面から身を投げる必要があるのか
- 両足と両手が緩く縛られていましたが、なぜ自分で縛る必要があるのか
謎が多過ぎます。
確かに、
- 遺体付近に男児以外の足跡がない
- 首を吊ったり、手足を縛ったりしたビニール紐に第三者介入の痕跡がない
- 緩くであれば自分の両手を縛ることができる
- 不審人物の目撃情報がない
- 男児が自殺に至る理由がない
と自殺や他殺を疑う要素が現時点ではありませんが、だからと言って「事故死」と判断するのは納得がいきません。
ただ、男児のご両親にすれば、どんな原因だとしてもお子さんを無くしたことには変わりがありませんので、事故死で気持ちの整理が付いたのであればそれをとやかく第三者が言うのは憚られます。
こどもの遊び場所や遊びの方法にも注意が必要です
今回の事件・事故においては、この雑木林がこども達の遊び場所になっていると分かったのは後のようです。ご両親は捜索願を出した時点ではご存じなかったのでしょう。
考えてみれば、僕もこどもの頃遊んでいる場所を親にはほとんど話したことがありませんでした。言えば禁止されるような場所で遊んでいることが多かったように思います。秘密の場所を持つことはこどもの情操教育に必要な部分もあると思います。ですが、それに大きな危険が伴う場合もありますので、ある程度安全のネットを張っておくことも重要です。時には禁止することも必要です。
また、どんな遊びをしているのかについても、日常の話の中で聞き出すことも重要です。今回の事件・事故がもし本当に「事故」だとすると、死や処刑に関する興味から色々試しているうちに事故を起こしてしまったり、仲間内で流行った失神ゲームがエスカレートしてしまったりした可能性も考えられます。(成人であれば、自己発情窒息やハイポクシフィリア、ブレス・コントロール・プレイと呼ばれる窒息プレイである可能性も考えられますが、10歳のこどもではその可能性はないでしょう。)テレビや映画、ゲームに影響を受けた可能性もあります。
こどもとの会話は勿論、こどもの読んでいる本・漫画、テレビ番組、ゲームにもある程度関心を持つ必要があると思います。誰にも気づかれずに、変な思想に染まっている恐れもあります。加害者側になる場合においても、このようなこどもの変化や傾向を知ることは意味があることだと思いますので、「いい」「悪い」と判断するだけではなく、その裏にある気持ちを汲み取り、経緯を推測する努力をするべきかも知れません。
いじめについては常にアンテナを張っていなければいけません
男児は立川市にあるフリースクールに通っていて、25日には学校祭があり、26日はその後1週間続く「秋休み」の初日だったそうです。本来であれば楽しみにしているはずの秋休み初日に命を落としたのには、事故ではない理由があるのではないかと思ってしまいます。
ご両親は余りのショックに考える力もないでしょうし、考えたところでお子さんが戻ってくる訳ではありませんので、今考えることは難しいと思います。
楽しくて仕方がない時に単なる遊びでこのように手の込んだことをするでしょうか。きっと誰も気付いてあげられなかった悩みがあったのでしょう。学校関係者が全く思い当たらないと言っていますので、もしかすると学校の外でトラブルに巻き込まれていた可能性もあります。それが1か月も経たず早々に「事故死」として処理されてしまうのは不憫でなりません。
我が子は勿論ですが、関わりを持つ子供たちについては発信されるどんな小さなサインも見逃さないようにしようと改めて思っています。と同時に、こども達だけではなく、大人にも注意しなければとも思っています。
現場の高幡山
通称「高幡山」と聞いた時にはまったくピンと来なかったのですが、地図で見て気付きました。最寄駅は高幡不動。京王線で多摩動物園に行く時に乗り換える駅です。実は浪人した時に隣駅の南平駅近くの代ゼミの寮に入っていました。高幡不動駅では何度も乗り換えたことがあるので、よく覚えています。
今でこそ周辺はだいぶん開けましたが、それでも都立多摩丘陵自然公園として豊かな自然が残っている山です。頂上まで登れば富士山も見えて、野鳥がさえずり、東京とは思えないような森林です。そんな豊かな山でなぜ命を落とさなければならなかったのか、周囲の大人は気付いてやれなかったのか、反省したり、ここから学んだりしなければならないことは多いと思います。
あとがき
どうしてもいじめが背景にある気がしてなりません。力関係で服従せざるを得ない相手から、
- 紐を木の根に結べ
- 服を全て脱げ
- 手足を縛れ
- 木の根に結んだ紐を首にかけて斜面を落ちろ
と命令された挙句、放置されたりしたのではないかとしか思えません。色々な興味から失神ゲームなどを試してしまうこどもの感覚も理解できます。僕も柔道をやっていたので、締め落とされる感覚が面白く、中1の頃教室で柔道部の仲間と自分の首をタオルで限界まで絞める「チキンゲーム」をしていました。実際、何人かは落ちていました。(※絶対に止めましょう。)それは理解はできますが、それをなぜ山の中で、しかも裸になってする必要があるのでしょうか。
誰かに命令されてしたとすれば、紐に男児以外の指紋もDNA型も付きません。離れた散策路から指示すれば、男児の周囲に特定可能な足跡が残らない可能性もあります。都立多摩丘陵自然公園からの出入り口は複数あるはずですし、道からでなければ目撃されないで逃げることができるとも思います。
一旦は事故死として仮の結論が出されるのは仕方がありませんが、情報は常に受け付けて、何としても犯人を見つけ出して欲しいと思います。
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